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傭兵

視界に入って来たのは一人。

どこかで見たことのある女性だった。


スキャン結果だとルーソ・ベルシカさんと出た。

確かにリチャード管理局長の所にいた綺麗な女性。


他はあまり覚えていない。


俺とキリルを見て近づいてくる。

丸腰だ。


ほぼ、確定したな。

「ルーソさん、どうしてここに……?」


キリルがパワードスーツから降りて迎える。


「え?、私の方が聞きたいわよ。これどうしたのよ? 何があったの?」


搬入倉庫の中は怪物の死体やら戦いの残骸やらで大型ゴミ集積場に準ずる光景となっていた。


キリルの肩に手を置きながら俺が答える。


()()からこうだったよ。怪物どもはどっかに行ってしまったようだ」

「??」


キリルは一瞬困惑した表情を浮かべたが、感で悟ったのかそれ以上は何も言わなかった。


「向こうはどうですか? 襲撃とかはありませんでしたか?」

「は、それが大変だったのよ。 リチャードさんが無理な命令出しまくりでさ」


すこし、どうでもいい話がつづく。


「ここはひとりで?」

「いやね、もっとチームがいたのよ。でも怪物に襲われて、はぐれてしまったわ

ちょっと一緒に探してくれない?」


「勿論、いいですよ。

キリル、パワードスーツに乗って」

「……わかった」


キリルの体がパワードスーツに引き込まれるのを確認した俺は

躊躇なくトリガを引いた。



「くっ……」


不意を突いたと思った。

しかし、撃たれた光の弾は掠りもしなかった。


回避行動が終わる前に何がを投げるルーソ・ベルシカ


「キリルカバーを!!」

「任せて」

6足型パワードスーツは二本の前足を盾のして俺を庇い出た。


「パーーーーーーチン」


轟音と共に閃光が広がる。

目くらましか。


視野が戻るとルーソ・ベルシカはか射撃では狙いづらい瓦礫の後ろに立っていた。


「何よ、こんな美人にいきなり撃ってくるなんて、あんた正気?」

「一発くらいは当たると思ったんだけどな」


何かあるとは思ったけど、こんなに動きがすごいとは驚きだ。

絶対素人(一般人)ではない。


「ルーソ・ベルシカさんよ。いきなり撃たれたわりには余裕たっぷりに避けてたし

全然予測してたよな。 あんたなにもんだよ?」

「ああ、人がせっかく気持ちよく演じていたのに………

もう計画とか面倒くさくなってきたわ。

ね、これだけは教えて。

私、なんで私疑われたのかな」


「色々あるけど、あんたは緊張感が()()()()()

それにリチャードみたいな自己中の人が気前よく救援を寄こすとかありえん。

最後に、うちらが送った伝令についてあんたは何も言わなかった」

「伝令ね、あんたに撃たれたせいで言いそびれたかもよ?」

「嘘つけ!!、伝令に会ってるならこっちの事情を知ってるはずだ。

こっちにくる時も道案内人として同行してないのもおかしい。

なのにあんたは一人で来た挙句、こっちの状況に面食らっていた。

違うか?」

「ふふ、まさか、あのドーロンくんが伝令だったの? 

セキュリティの誤作動かと思って壊してしまった」


確かに素体となったドーロンはセキュリティシステムのやつだ。

伝令兼、賢者≪アナンシ≫は死んだか。

まあ、もともとAIだし。


「シュンとキリルだったけ? 見直しちゃったわ。

うんうん、すごいよ。

はあ、上手く騙せると思ったのにね」


残念な表情のルーソ・ベルシカ。

軽い感じで喋っているが油断ならない相手なのは間違いなかった。


「あなたはダグラス議長の仲間でしょうか」


キリルの質問にルーソ・ベルシカは首をふった。


「わたしはね。仕事でこの計画に参加してるだけだよ。

でもね。 ちょっと説明が難しいけど…

うん、逆に聞くけどあなたたちはどうなのよ?

ダグラス議長がここにいないし、怪物どもは全滅あんたたちの仕業でしょう?」


「質問はこちらが先だったが、まあいい。

俺はこのふざけた事件から抜けたいだけさ。無関係の一般人だ」

「……」

キリルはダグラスの言ってた祖父のことが気になるのか無関係の一般人とは名乗れずにいた。


「へーーよく言うわね。

私はルーソ・ベルシカ、本当の職業は傭兵。今から仕事するね」


話が終わると獰猛な視線を向けながら近づいてくる。

いつの間にか両手には短めの黒いナイフが握られていた。


「ごめんね、もうすぐゲートが閉じるの。目撃者は残しておけないのよ」


『気をつけてください。高度なジャミングデバイスで擬態しています。名前も偽名です。

しかも、あれは…』

動いたと思った瞬間には鼻の先まで来ていた。


「うわーーっつ」

かなり情けない声を出しながらよけた。

すぐさま2撃、3撃が入って来たが

「シュンは後ろにさがって!!」

キリルが盾役を買って出れた。パワードスーツの巨体で全面を庇うように進みでる。


しかし、それを見たルーソ・ベルシカの表情はすこしも気おくれしていなかった。

『彼女は普通の人間ではございません。体の一部を機械に改造しております。反射神経、筋力など一般人の数倍以上と推測されます』


しかも、油断のない専門家の熟練された動き。

これはダグラス議長よりも厄介だ。


「キーーン、ギギギギーーー、カッキーーーン」


「う、嘘でしょう?」


キリルが驚くのも無理はない。

6足パワードスーツは数回の攻撃を受けただけで、もう足が3本も切断されてしまった。

大型のチェーンソーでも切断に時間がかかりそうな太いアームがまるでバターのように切られている。生身なら痛みを感じる隙もなく死ねるね。


くそ、次から次へと敵さんばかりだ。


「キリル後退して!!」

「はい!」


そくざに頭の中でシステムを構築、展開

一番早い攻撃を出す。


「≪アラクネ≫電気で攻撃して!!」

わざと≪アラクネ≫を経由してるように演じながら弱い電撃を放つ。

まあ、敵さんに余計に情報を与える必要はない。

これで、油断してくれると儲けものだ。


威力も弱かったし苦労せず避けた彼女。


しかし


「これくらいであのダグラス議長とやりあったなんて冗談は言わないでよね。

ってか。

出し惜しみなんかしてると秒で殺されるよ?」


やっぱり読まれていたか。これだから本職の人は相手したくなかった。

()()がうますぎる。


どうしようかな。

俺はどっちかというと近接戦にはめっぽう弱い。

相手は高速近接戦闘に特化している。

これじゃ、ライトニングなど撃っても共倒れだ。


そこで突然、キリルから声がかかった。


「この女の相手はわたしがする。ちょっとだけ時間稼いで」


何?

キリル、なんか切れかかってらっしゃる。

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