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アイテムボックス

超時空拡張デバイス


それは、ワープに並ぶ、人類の夢の技術の一つであった。


昔の作り話によく出るあれだ。

伝説の勇者が賢者の助力を得て魔王を倒す、そんな話

そして、手に入れた不思議な魔法の秘宝。

その一つにして

伝説の剣なんかよりも人々の欲望を刺激してやまない

秘宝中の秘宝。


無限箱(アイテムボックス)

どんな物をいれても重さは増えない。

入れたものは、いつまで経っても変わらない。

どんなものでも、際限なくいくらでもいれられる。


物語には定番のように登場するそれは、実現すれば

経済的利用価値としては群を抜く存在だった。


空を飛びたい、長く生きたい、月へ行きたいなどの

数多くの空想を実現させて来た人類。

宇宙開発が出来るくらい高度な科学進歩を成し遂げた人類に

アイテムボックスも実現可能な目標に見え始めた。


むしろ、宇宙開発にはその活用価値は絶対的な物であったため

超空間跳躍ともよく連携して研究が行われた。


結果。


いまだ、実現せず、実用化には至っていない。

しかし、開発の途中で派生した理論は近い未来実現できると見る人が多い。


『そうです、その時空間拡張デバイスの応用なんです。今回の事件は』

「この事件、船を強制的に超空間跳躍させようとして失敗したから、こうなったんじゃないのか?」


『そう思われるのも無理はありませんが、事実はちょっと違いますね

そもそも、こんなバカでかい船の超空間跳躍を可能にするには装置(ハイパードライブ)

いくつあっても出来ません。

ご存じでしょう? この宇宙蜘蛛は建築や居住のスペースが多すぎるせいでちょっとした移民船の役割も果たしているって』


それはそうだった。

速度を上げて外宇宙に出ようとする探査開発とはカウンターとして存在する。

太陽系の中で地味に、安全に、時間かけて領域を拡張していく

それが、宇宙蜘蛛だ。


『いなくなった船員たちがいるじゃないですか?』


そうだ。いくら怪物どもが暴れ回ったとしてもこの船には総勢5万人もの人が乗っていた。

一気に蒸発するなどあり得ない。

≪アラクネ≫が機能不全で感知できない領域があるにしても人が無さすぎる。


『それ、実はなくなってないんです』

「どういうこと?」


『今、我々は箱の中にいるようなものなんです』


「!!!!」


そうか、時空間拡張!

なんでも無限に入る魔法の箱みたいに

この船の中の時空間が無数に枝分かれして拡張してしまったら

中にいる人々もそれに巻き込まれて散り散りになったんじゃないか?


「いや、待ってくれ

おかしいぞ。箱の中に入ったら時間は止まるのではないのか? 

なぜ、我々やダグラスは動ける?」


『うーーーーん。 説明が難しいのですが、推測だとこうなります』


一つ、現在蜘蛛の中の時間軸とそれに連なる空間軸は馬鹿デカく拡張されている。

すなわち、ここにいない人々も()()()()()()

ただし、別の時間軸の空間に。

そして、そこは少しも時間経過していない。


≪アラクネ≫の原因不明の不全も通信途絶もこれで説明できる。


一つ、理論上

この拡張した時空間の中は止まった状態のハズで動けない。みんながそれそれ勝手に動いたら

時空間の因果関係は破綻する。

だが、例外はある。

それすなわち拡張した時空間の入口の部分。

もとの時空間との接点は時間が経過するし物理的な現象も起こり得る。


ダグラスは意図的に入口(ゲート)を操作出来たんじゃないかと思われる。

そして数多く存在する閉ざされた時空間の中、

わざわざ、()()にきた。

それと同時にこの時空間が時空間拡張状態から、もどり時間がながれはじめた。

当然、ここにいた俺やキリルたちが目覚めた。


一つ

船はワープ失敗の()状態ではない。

今も時空間拡張の途中であって、これを止めない限り人々は戻らないし

彼らの閉ざされた時間も流れない。

この時空間拡張領域は中にいる間、時間の流れが現実とはことなる。

数倍以上早かったり、遅かったりする。

この現象は完全にゲートから抜けるまで続く。


一つ

どうやって時空間拡張をこの船に施したかは分からない。

ダグラスがどうやって入口(ゲート)を操作したかは不明。

現在の人類には扱えないオバーテクノロジーなのだ。


「そもそもダグラスが何故ここに来たのかわからん」

「あれじゃない?≪アラクネ≫が前言ってた」

「うん?」

「選挙よ」

「!!」


すっかり忘れていた。

たしか以前名前が出たテロリストらしき人物

そうだ

≪プロミネンス≫

執拗に≪アラクネ≫メインプレームの掌握を試みる人物。

怪物を動員した偽の住民ではこと足りず必要不可欠なのが

最低3人以上の管理局長の身柄!!

それだ。

バラバラになった船の時空

他の時空にはいなかった管理局長を探しに来たのなら辻褄があう。


そう思うと

ダグラスが黒だったし、大型シェルターにリチャードが到着した時には

すれ違いで会えなかった。

もし、ダグラスが搬入倉庫に移動せずにシェルターで陣取っていたとしたら?

私だちは、みんなそこで殺されたはずだ。


何もかもギリギリだった。冷や汗が止まらない。


じゃ搬入倉庫に急いで移動したのは何故だ?


「≪アナンシー≫の今の説明は全部、ダグラスから裏が取れた情報なのか?」


『わたしにも情報公開せずに自分の仲間と連絡を取っていた部分もあるから100%ではないです。

しかし、80%以上合ってるはずです』


「じゃ聞くけどあのコンテナーの中身はなんだ?」


俺はダグラスが怪物となって現れたコンテナーを指さした。


『彼は【変異観測点】と呼んでいました。

あれに入る前には彼は確かな人間でした』


いったい、なにが人をあれだけ異質な生き物に変化させるんだろう。

おそるおそるコンテナーの中を見た。


『もう何もないですけどね』

「それをはやくいえ!!!」


ふむ。

説明通り、中には何もなかった。

ちょっと不気味なほど静かでくらいだけで空っぽな空間だった。

よく見るとコンテナーの入口には警護員たちのものだったらしい衣服や装備品の何点かが転がっていた。

重力反転を使った影響か、他は見当たらなかった。

今さらだが、コンテナーがちゃんと固定されててよかった。


さて、敵は倒したが予測通り事件の終結には程遠い。

ちなみに≪アナンシ≫に入口(ゲート)や他の黒幕の位置について聞いたが

収穫はなかった。


新しく得た情報のパズルを組み合わせてみる。


なぞの敵≪プロミネンス≫。


≪アラクネ≫メインプレーム掌握に必要な情報を持つ3人のひとり、リチャード管理局長。


黒幕たちが制御する時空間拡張デバイスの入口(ゲート)


そして人に予期せぬ変異を起こす【変異観測点】



俺やキリルも何らかの変異をしているんだよな。


さて、これからどう動くか決めないといけない。

このアイテムボックスから抜け出すために。

瞬間移動、ワープ、アイテムボックス

これらを劇の小道具としてみました。

次からは普通のRPGみたく黒幕との闘いがつづく予定でございます。

いかがだったでしょうか。

ご意見、感想ございましたら、気軽にご教示ください。

お読みいただきありがとうございます。

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