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賢者

目が覚めると俺は倒れていた。


そして、不安そうに俺の顔を覗き込む

キリルの綺麗な顔が見える。

これは、まさかの膝枕状態か?


「あれ、俺生きてる?」


ダグラス議長を倒したものの、折れた肋骨とか

頭の裂傷とか血を流し過ぎたし絶対助からないと思った。


「どうして?」

「よかった」


説明を求める俺にキリルは答える代わりに包み込むようにして

俺の頭を抱いてくれた。


うわ、なんと


「よかった。生きてくれた」


俺の頭を抱いたまま、静かに涙を流すキリル。


俺のために泣いてくれる人の涙って

こんなに暖かく気持ちいいものなのか?

すごい。

初めて知った。


そして、むちゃくちゃ気持ちいい


はっとした。

キリルは今上半身の服が破れ露出度が凄い状態。

ただでさえ、色気が溢れるムチムチの美女が

そのまま抱き込んでくれば、その破壊力は計り知れない。


至福すぎる経験だったが

こんなに喜んでくれるキリルに、とても申し訳ない気がしてギーブアップを宣言した。


「ごめん。まだ、痛む?」

「いや、もう大丈夫だ。

それより、起こしてくれないか?」


立ち上がると、さりげなく自分のスーツの上に羽織っていたベストを脱いでキリルにかけてやる。

やっと、先ほどまでの自分の恰好がどうだったか気づき赤面するキリル。

うん、危なかった。それ以上続けていたら色々危なかった。


「敵は? もうないのか」

『その心配はございません』

≪アラクネ≫が答えてくれた。

そうか、こいつがいた。

押し倒したりしたら通報される所だった。


『ダグラス議長の死亡が確認されました。そして、現在第10搬入倉庫に敵影はありません』


「ダグラス議長の探索が目標だったんだけどね」


『収穫は十分かと思われます』


「それはどうしう意味だよ?」

「?」


『成果は3つございます。

一つは私の動きを妨害していた邪悪で愚かなAIの≪アナンシ≫が所有者の死亡により活動停止しました。所有者の異変にも気が付かず、犯罪行動に手を貸した未熟者には相応しい最後でございます。

お陰て私はこの区域で力をかなり取り戻しました。

渋川様のご指摘とバックアップがなければ、あれに罪を追求し続け、追い詰める攻撃方法は取れなかったでしょう。

本当にありがとうございました』


ほう、余程腹が立っていたようだ。


『二つ目に

ダグラス議長の件でございますが、超空間跳躍の副作用、【変異】かと推測されます。

普通は意図せぬ形で事故のように発生する現象と事例を聞いておりますが

何らかの手段でそれを人為的かつ、方向性を持たせて引き起こしたんだど思います』


「ダグラス議長は死んだ。

その【変異】に関する情報を得たのが、せめての収穫と言えるものだな」


それを聞いたキリルの表情がやや硬い。

え、違うのか?


『渋川様は何故自分が助かったのか疑問でななかったのでしょうか?

そして≪アナンシ≫を電子データ的に攻撃、ダグラス議長を私の()()()()()()()()()()()システム構築して攻撃、これを撃退。

普通の人間にはとても不可能なことでございます』


「それってつまり」


『渋川シュン様

キリル・タシュケント様

お二人とも【変異】しています』


「!!?」

「!!」

『ご安心ください。ダグラス議長のように市民権剥奪したりはしませんから。()()()()()()


薄々そうなんじゃないかと思ったが、やっぱりか。

というかこいつ、今のところはって言わなかったか?


『美意識を疑うようなダグラス議長の激しい外見の変化や精神的な異常などは確かな危険要因としてすぐ隔離、処分の対象となり得ますが。

お二人の【変異】は何故か根本的に違います。遺伝子や外見など側的データはなんら変化がございません。 AIがこういうのも矛盾しているとは思いますが』


根本的に違う?


『まるで()が変異しているような』


ふーーむ

よく分からない。

俺とキリルは≪アラクネ≫に追加説明をお願い!みたいな無言の圧力をかけてみた。


『最後に三つめですが』


こいつ逃げやがった。


『今回の事件の真相がある程度分かりました』


「ほうほう、それは気になるな」


『さようでございましょう?

では、情報の習得方法をお教えします、今から転送する目標を電撃で攻撃してください』


「どれどれ」

頭のなかに情報がはいって来た。不思議だ。

目標の名前は【愚かなゴミ】だった。 なんだこれ?


『やはり、ライフサポートバンドうや端末無しでデータリンク出来てしまうんですね

とても、興味深いです

さあ、真相のため早く攻撃をお願いします』


これが俺の【変異】の力か。

ちょっとしょぼいけど整備士の俺にはピッタリかもな。


≪アラクネ≫にも催促されたしとりあえず撃つ。


「ライトニング!!!!」


『キャーーーーーーーーお許しを、暴力反対です』


そして小さな少女の立体映像が出て来た。

『これはあんまりです。いくら最新のスタンドアロンタイプAIの私でもモジュールに直撃すれば

死にます』


『ちっ、外れたか』

舌打ちする≪アラクネ≫


なんだこいつら?

あ、まさか≪アナンシ≫か?


『ダグラス議長の端末として働いてた≪アナンシ≫なら真相の説明役にピッタリだと思います

さあ、説明してください。

今回の事件の顛末を』


『えっと、それはとても複雑ですしわしいもすべての計画を知り尽くしてるとはとても……』

『最新なんとが口ばかりだったようでございます。

渋川様、今度は雷電で確実にとどめをお願い致します』



『うわ、今の無しで、もちろん説明できますよ。こう見えましても私の開発コンセプトは何でも解析、演算して説明できる【賢者】ですから』


≪アラクネ≫も自分の立体映像を展開させて、≪アナンシ≫を睨んでいた。

すでにこの搬入倉庫は全掌握したようだ。


『皆さんは超時空拡張処置とそのデバイスについて子存じでしょうか』


賢者≪アナンシ≫からの説明が始まった。

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