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巻き込まれて講習会

お面屋さんの話で、お面の改造の仕方を少し変えました。

鼻の下から切り分けていたものを鼻の上からに変更しました。

前のままだと、お面の下だけの部品がなんだか不格好になると気づいたからです。

しょうもない変更ですが報告します。

取り合えず、新しい武器のことは後回しにして、少しでも早くランクアップできるように依頼をこなそうとギルドへ向かう。


掲示板で依頼を探していると、すぐ後ろで人が急に怒鳴った。


「おいガキ!!てめぇみたいなやつに冒険者やられると迷惑なんだよ!!」


ひゃあ!!驚いた。もしかして今更絡まれるイベント発生したの!?

驚いて振り向いたが、イベントを発生させたのは私ではなかった。

私のすぐ後ろにいたのは、使い込んだ防具に身を包んだ三十代後半くらいのベテランらしき冒険者。

さっき怒鳴ったのはこの人らしい。厳つい顔を怒らせている。こわっ

対して、怒鳴られたらしいのは多分十台の中頃ほどの少年だった。

きれいな服に身を包み、髪や肌を見る限り身ぎれいにしている。なかなかの美少年だ。

不機嫌そうにしていた少年が口を開く。


「ふん、あなたも貴族が道楽で冒険者をしているのは許せないとか言ってくるやからか。

冒険者ギルドは来るもの拒まずが信条だったはずだ。」


なるほど、彼は貴族だったのですか。

それが気に入らなくて絡んでるってことでしょうか?


ベテランさんが少し落ち着いたのか声を少し下げて少年に言い返します。


「別によお、誰が冒険者になろうがそれぞれ事情ってものがあるだろうから文句はねぇ。だがな」


ベテランさんは窓の外を指さします。

そこには豪華な見た目の馬車と、鎧を着た騎士のような人たちが数人いるのが見えた。


「Eランクに上がるための依頼を、金にものを言わせて買いそろえたり、使用人を使って達成するのは違うだろう!!」


ええ~……この少年、そんなやり方で依頼をこなしていたのですか。

外にいる騎士っぽい人たちはお金で雇った人たちかな?

確かにそのやり方だとあっという間にランクアップに必要な実績はたまるでしょうが……

ていうかこの少年もなりたての冒険者だったのですね。


「僕の目的は、依頼をこなして報酬をもらうことではなく、早くランクアップをすることだ。

たとえ報酬より費用の方が掛かったとしても、僕からすれば効率のいいやり方なんだよ。」


少年は言い返します。

う~ん。感情はともかく言っていることはわかる気がします。

ランクアップを目指しているのは私も同じですし。

しかし、ギルドとしては今回のようなやり方ってどうなんでしょう。

どうやら二人から仲裁を頼まれたらしいギルド職員はベテランさんの迫力に押されながらも意見を言います。


「ギルドとしましては、どのような方法でも依頼を達成することができるのであれば、それをできる実力があると判断します。確かに褒められたやり方ではありませんが、明らかな問題行動というわけではありません。」

「だ、そうだ。そもそもあなたが依頼を達成するために武力をもって魔獣を倒すのと、財力をもって魔獣を倒すこと。何が違うというのですか。」


さすがにそれは無茶なんじゃ……


「そもそも、最初のランクアップの条件は、なりたての冒険者が経験を積まないまま無茶なことをしないようにと定められたものだ。

てめえのやり方を認めちまうと、ろくに経験を積んでないひよっこが大勢死ぬことになるぞ。」


二人の周囲にいる野次馬たちは、おおむねベテランさんの意見に賛成のようです。

私もなんとなく二人のやり取りを野次馬にまぎれてみていると、突然ベテランさんが私を指さして言いました。


「あの子供を見てみろ!!なりたてってのは、大体ああいう風にそれらしい服装からコツコツと小銭をためて、装備を整えていって。そんな風に成長することで大物になるやつが出てくるんだよ!!仮面してるけど

てめえがいくら早くランクアップしたところで、そういう経験が……」


うわ!こっちを巻き込んできた。

うん?なんだか最近似たようなことがあったような。


「そんなことはないさ。ランクを上げた後にだって経験は積める。確かにそこの子供みたいに、仮面はよくわからないが、いかにも冒険者って感じの奴が多いからといって~……」


貴族の少年も負けじと言い返します。

すいません。コートの下は家が建つような高級品ですすいません。

あと仮面は気にしないでください。


「おい!お前はどう思うよ!!こいつのやり方はおかしいと思うよな?」

「そんなことはない!!お金を出せるということも実力のうちだ!!」


二人が私に選択を迫ってきます。

そんなことを私に聞かないでください。どっちの味方になってもしこりが残りそうでいやだと思ったので、

どっちつかずの回答をします。


「お金が実力だって言うなら、強力な装備や魔道具を買って使えばいいんじゃないの?

それなら一人でもかなり楽に依頼をこなせるし、自分だけでこなしているならおじさんも文句ないんだよね?」

「うん?……まぁ、人を雇って依頼をこなすよりかは……な」

「……なるほど効率は落ちるだろうが、それならば後々の冒険者としての活動にも役立つか。」


私のたまむしいろの回答は、意外と二人に受け入れられた。結構適当にいったのに。

なんとなく罪悪感を感じながらいると、なぜか盛り上がりが妙な方向に向き始めました。


「よおし!!俺がお前の指導員として冒険者としての心構えをしっかりたたきこんでやろう。

受付嬢!!俺が指導員になることは問題ないだろう?」

「え、ええと。はい きちんとした指導員の元経験を積んでもらえるのなら。」

「まて!なぜそんな話になる!?」

「そうはいっても坊主の目的は早いランクアップなんだろう?

最近は面倒がって後輩の指導をする奴が減ったせいで、身内でもない限り指導員の講習を受けてのランクアップをするのはフリーじゃ難しいだろう。

それをわざわざ引き受けてやるってんだ。坊主にも悪い話じゃないはずだ。」

「ううむ。それは確かに……」

「よし!!ついでだ。そこのガキも一緒に指導してやる。」


「ふぇえ!?」

また私?一度こっちから興味外れたと思ったのに……

あれ?でもこれは願ってもないチャンス。指導員がいなくて最短ランクアップが出来なかったのは私も同じだし。


「ええと、じゃあお願いしてもいい?」

「おお!!だが坊主!……でいいのか?指導してもらう立場なんだから、ちゃんとした言葉遣いをだな。」


別に坊主でもいいです。

それ私だけに言いますか?ああ、少年は貴族さんでしたね。


「あ、ごめん 共通語まだ得意じゃなくて。」

「なんだ地方の生まれか?……まあいいそっちも教え込んでやろうじゃねぇか。」


なんか口の悪い人に言葉遣いを教わる流れになってしまいそうだ。

最近なんだか技能の習得が鈍ってきている気がするんだよね。

私のもらった加護の効果のはずなのに……加護が無くなってきてる?


私たちのやり取りを聞いていた受付嬢が慌てて声をかけてきた。


「バスターさん。それだったら一緒に教えてあげてほしい子がいるんです。もう一人お願いできませんか?」


言うやいなや急いでカウンターの奥に走っていった受付嬢。

ベテランさんの名前はバスターさんと言うらしい。

受付嬢はすぐに女の子を一人小脇に抱えながら戻ってきた。なんで抱えられてるんだろう。


「マリンちゃん。このバスターさんが受けてくれるそうだよ。」

「俺はまだいいとは言ってねぇよ!!まあいいけどよ……」

「マリンブルーです。マリンって呼んでください。」


少女は名前の通りにきれいな青色の髪の毛をした、ショートカットのかわいらしい子だった。

私より少しだけ年上かな?

「ああ、俺はバスター。Bランクの冒険者だ。」


なんだか流れで自己紹介が始まった。

途中から放置されていた貴族の少年と目が合う。

これ、私たちも自己紹介する流れなんだよね?


貴族の少年が先に動く。


「僕はジャステア 家名は省略しておこう。」

「え……とシラユキです。」


さっきも注意されたので、丁寧に言っておく

敬語を知らないわけじゃないんだよね。喋る方が自信ないだけで。


「シラユキ?不思議な響きの名前だな」

「確か異世界の戦士が似た響きの名前をしていたような……」


そういえば、今更だけれど私は異世界から来た人だって言ってもいいんだろうか。

わからないときはとりあえず隠しとこう。


「名前を付けてくれた人が異世界人ゆかりの人だったみたいだ……です。」


そういうと、ふーんという感じに流された。

みんなに名前が伝わると、バスターさんが張り切って声をあげた。


「よし!!じゃあ早速明日から俺が冒険者ってのを教えてやる!!

特に常識外れの坊ちゃん!!てめぇにはちゃんと冒険者というものをわからせてやるからな。」


まさかバルドさんも、この三人の中で、一番常識を持っているのがジャステア君だということは

この時点では気が付きようがなかった。

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