↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/102

【88話】寿司と魔廻りと 4

 

 寿司は自由だ。可能性のかたまりだ。


 魚や玉子はたしかにおいしいが、世のなかには、ほかにもおいしい食材がたくさんある。


 だから、いろんなものを載せていい。


 いろんな組み合わせにチャレンジしていい。


 ハンバーグ寿司はそれを極導(きわみち)と冬(ふゆ)輝(き)に教えてくれた。


「冬輝、きょう、おれたちはあたらしい寿司に出会った」


「はい」


「もっと出会ってみないか?」


「出会いましょう。お腹が膨れあがるまで」


「よし。きょうはマグロも真鯛も一切なしだ。食べ慣れたネタは注文禁止。こどもも大人も大好きな童心(どうしん)寿司(ずし)の世界を探索するぞ」


 それから20分後――。


「さすがに腹が張ったな」


「は、はい……」

 

 ふたりが食べたのはイベリコ豚の大とろ、濃厚チェダーチーズてんぷらにぎり、あぶりえび明太チーズ、てりやきチキン、牛すき焼き風軍艦等(など)など。


 あとデザートにかき氷とみたらし団子も注文した。


「デザートも食ったし、きょうはこれで引きあげるか」


「そうですね。でも兄さん、その前に――」


「ああ、わかってるよ」


 ふたりは通路を挟んだとなりのテーブル席に向かった。


 そこにいるのは10歳ぐらいの男の子と、その父親。


 極導(きわみち)に抗菌カバーの開け方を教えてくれた父子(おやこ)だ。


「これ、あげるよ」


 極導は男の子にスシ騎士(ナイト)のキーホルダーをわたした。


「どっきりガッチャで当たったんだ。カバーの開け方を教えてくれたお礼だよ」


「ありがとう、お兄ちゃん!」


「これからも、お父さんと仲よくな」


 よろこぶ男の子と感謝する父親に手を振って、極導と冬輝はセルフレジへ向かった。



 *  *  *  *  *



 会計を済ませると(極導(きわみち)のおごり)ふたりは駐輪所でわかれることにした。


「じゃあな、冬(ふゆ)輝(き)」


「兄さんも気をつけて」


「カバーの開け方もタッチパネルの使い方もマスターした。あさっての忘年会、女子(みんな)にいいとこ見せつけような」


「はい!」


 時刻は午後3時。


 昼下がりにもかかわらず、町は年末の準備をする人々の活気であふれている。


 その活気に背中を押されるように、極導と冬輝は別々の方角へ自転車を漕ぎだすのだった。



(寿司と魔廻りと・完)


これからもゴクハナの新作エピソードは投稿していく予定です。


今夜22時から、NHK総合で【スペシャル時代劇】銭形平次が放送されます。楽しみ!



【8月22日追記】

8月22日にゴクハナの累計PVが6000を達成しました。


読者の皆さま、毎度のことながら、ゴクハナをご愛読いただきありがとうございます!


これからも犬山おはぎは執筆活動に精進いたしますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。