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【77話】空からの贈り物 5


(おしまい)


「「えっ」」


 ミユキとミサキは空を見あげた。


「なに、あれ……」


 星のない暗い空には、巨大なふたつの目玉が浮かんでいた。


「おしまいって、どういうこと?」


 ミユキが目玉にたずねる。


 つぎの瞬間、着ぐるみたちが目玉に向かって吸いこまれはじめた。


「教えて。あなたは何者なの? 何が目的で、こんなことをするの?」


 朝に仮牢(かりろう)で聞いた「今夜11時。追株高校(おいかぶこうこう)の運動場」という声と、さきほど頭のなかに聞こえた「おしまい」という声は同じものだった。


 おそらく、あの目玉が声の主なのだろう。


 着ぐるみは目玉に吸いこまれ、ひとつのこらず、運動場からすがたを消した。


(もう、しない。もう、来ない)


 再度、頭のなかに声が聞こえた。


 その言葉を最後に、ふたつの目玉は闇のなかに消えてしまった。



 *  *  *  *  *



 あとでわかったことだが、目玉が消えるのと同時刻、南(みなみ)魔地(まち)奉(ぶ)行(ぎょう)所(しょ)の仮牢(かりろう)に収容されていた5体の着ぐるみが、牢番の前で、とつぜん、すがたを消したらしい。


 その後、怪獣や宇宙人の着ぐるみが空から落ちてくることは二度となかった。


 あの目玉は何者なのか。


 そして、なんのために着ぐるみを落としていたのか。


 それはだれにもわからない。


 すべてが謎に包まれたまま、のちに『空からの贈り物』と呼ばれる、この事件は幕を閉じたのだった。



(空からの贈り物・完)


これからもゴクハナの新作エピソードは投稿していく予定です。


今年は『ウルトラマン』60周年とともに、前番組の『ウルトラQ』の60周年でもあります。


だれが、なんのために、なぜ、こんなことをしたのか、そのすべてがわからない――そんな不安と謎を残したままラストを迎える『ウルトラQ』的なお話をつくりたくて執筆したのが、この『空からの贈り物』です。(名前の元ネタは『ウルトラマン』の34話ですけど……)


相手の正体も目的も不明というのは、ミステリアスなワクワク感が生まれる一方で、何もわからないというモヤモヤ感も生まれてしまうもの。


なので、近いうちに、正体も目的もハッキリとした相手が登場するエピソードを投稿したいと思います。


※あくまで近いうちなので、次回ではないかもしれません。


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