【64話】想う力 12
【誤投稿についてのお詫び】
5月25日21時45分に、本日(5月26日)19時に投稿予定だった『想う力 11』を誤って、投稿してしまったことをお詫びします。
読者の皆さまにご迷惑をおかけして、大変申し訳ありませんでした。
デアのからだが光の粒子になり、ルミナブレスに吸いこまれる。
『デアのたましいを収納しました。これよりデリートを開始します』
それから10秒ほどして、
『デリートを完了しました』
それを聞き、ミヅキは合体を解除。
ミユキとミサキに分離した。
「おわったのです」
「ええ。おわったわ」
おたがいの存在に感謝するように、ふたりは再度、手を握りあった。
そのとき、あるじを失った広間が悲しむように揺れはじめた。
デア・ダンジョンは創造力でつくられた建物。
デアがデリートされたことで、ダンジョンが崩壊しはじめたのだ。
「ミサキ、帰還するわよ」
「うゆ」
ふたりはすぐに機胃から脱出。
現実世界に帰還した。
* * * * *
信男の部屋では、極導たちがふたりの帰りを待っていた。
「見事だったぞ。望月姉妹」
パソコン画面から出てきたふたりを、くらりが称賛した。
彼女の表情にどこか疲れが見えるのは、トランルミッターを通して、6人に自分の霊力をわけあたえていたからだろう。
ちなみに、この場に黒峰と信男はいない。
信男は黒峰が心浮かせの術で両親の肩を揉みにいかせているし、当の黒峰はたましいを収納したルミナブレスを持って、唄河広志たちのいる病院に向かっているからだ。
「皆のがんばりはパソコンの画面で、すべて見させてもらった。SS作戦が成功したのは雪月花隊みんなのおかげだ。南魔地奉行として、礼を言わせてもらう」
くらりが6人に頭を下げる。
「お奉行、面をあげてください。お奉行が霊力を送ってくれたから、おれたちは機胃で活動できたんです。あなたがいなければ、SS作戦は成功しませんでした」
「もちろん、黒峰さんもね」
花子が極導の背後で手を振って、つばさをはためかすマネをした。
「あとは黒峰が、たましいを3人のからだにもどすのを待つだけね」
ミユキが窓から星空を見あげた。
* * * * *
それから20分ほどして――。
ピロリン♪
くらりのスマホにMINEの通知が届いた。
「黒峰からだ。『3人の肉体にたましいを返還。現在、3人とも意識を取りもどしています』とのことだ」
「よかった」
極導が安堵の声をもらす。
「3人のたましいも返還したし、デアのたましいも完全にデリートした。この子の役目もおわりね」
ミユキは、ねぎらうようにルミナブレスを一撫ですると、
「ありがと」
光の粒子に変えて消滅。
ミサキも自身のルミナブレスと、くらりのトランルミッターを消滅させた。
「ふたりはこれからどうするんですか?」
極導が双子にたずねる。
「もしかして、ふたりとも自分の世界に帰るんですか?」
「ええ。帰るわ」
「そうですか……」
極導だけでなく、花子たちもさびしそうに視線を落とす。
「一か月に一度ぐらいね」
「え?」
「本来、パソコンババアはこの世界にはいない怪異。いるはずのない存在が存在してしまったことで、自然界のバランスが崩れて、次元の壁に穴が開きやすくなってしまったのよ」
そして窓の外を指さし、
「とくに東京にね」
「ミサたちは別世界から来た怪異の犯罪を防ぐために、この町に滞在することにしたのです」
ウサミミを動かして、ミサキが言った。
「もちろん、別世界の怪異だけでなく、こちらの世界の怪異が起こした事件も調査するのです」
「と、いうわけだ。世界はちがえど同じ魔廻り。これからも仲よくしてやってくれ」
呆気にとられる極導の肩に、くらりが手を置いた。
(つづく)
更新は毎日おこなう予定です。
次回は、いよいよ『想う力』の最終回。
あしたの19時に投稿します。




