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【63話】想う力 11


「「ルミナスタッチ!」」


 ルミスタルの七色の輝き。


 それがふたりのからだを包みこむ。


 輝きのなかからあらわれたのは両腕にルミナブレスを着け、頭に本物のウサミミを生やしたバニーガールだった。


「これがわたしたちの切り札のすがた。名づけて望月もちづきミヅキよ」


 望月ミヅキはルミナブレスの力により、ミユキとミサキが合体したすがた。いうなれば合体怪異である。

 

 外見の年齢は22歳といったところだろうか。


 果実のように丸々と膨らんだ胸や、なめらかな曲線のヒップラインからはせ返るような大人の色気がほとばしっている。



「このすがたでいられるのは2分30秒が限界。いそいで決着ケリをつけさせてもらうわ」


決着ケリなら、一瞬でつけてやる」


 デアがミヅキにどうだんを放つ。


 ミヅキが手を振ると、〇のかたちをした光の円盤がいくつも出現。


 そのうちのひとつに跳び移り、魔導弾を回避した。


 無数に浮かぶ○


 それを足場にして、ミヅキは広間を跳びまわり、デアとの距離を詰めた。


「これでおわりよ」


 ○を蹴って、デアに飛びかかるミヅキ。


じゃめが!」


 デアは背中に生えた竜のつばさで飛翔すると、着地したミヅキに魔導弾を放った。


「!」


 魔導弾がミヅキを襲撃。


 爆風とともに光の粒子が宙に舞った。



 *   *   *   *   *



 デアの放つどうだんは一撃必殺の即死技。


 羽瀬はせがわのぶが『ドゥーム・ダンジョン』における最強の魔法として設定していたアイデアを、デアが攻撃手段として採用したのだ。


「この魔導弾さえあれば、わたしは無敵だ」


 デアは本気でそう思いこんでいる。


 思いこむことは信じ過ぎること。


 それしか見えなくなること。


 まわりが見えないから、デアはほかのどんな魔法にも興味がないのだ。


「わたしは神。神に逆らう者には死あるのみ」


 デアが壇上に降り立つ。


 そのとき、


「ほんと、想像力のないオババね」


 とつじょ出現した光のリングがデアのからだを拘束した。


「あ、うう」


 身動きが取れず、痛みにあえぐデア。


 その背後から、女性が声をかける。


「あんなノロノロだん、100キロの重りを背負っていても避けられるわ」


 女性がデアの前にまわった。殺したはずの望月もちづきミヅキだった。


「バカな。おまえはたしかに殺したはず」


「言ったでしょ。100キロの重りを背負っていても避けられるって。光の粒子は錬想れんそうじゅつでつくったもの。わたしたちがやられたと見せかけるための罠よ」


「そんな……」


「思いこみ力100のあなたなら、だまされてくれると思ったわ。そうそう。せっかくだからデリート前に教えてあげる」


 ミヅキが右脚を頭よりも高く振りあげた。


「特撮における合体戦士は究極の存在。絶対無敵の最強フォームなのよ」


 高々とあげた脚をデアの頭めがけて振りおろす。


 必殺のかかと落とし。


 その名は、


満月の餅つき(フルムーン・マレット)!」


 きねもちをつくように、かかとで頭を割られ、デアの生命データは崩壊。


 からだが光の粒子になった。



(つづく)


更新は毎日おこなう予定です。


かかと落としはアックスキックとも呼ばれる格闘技の蹴り技です。


このほかにも、つま先で立ち、そのあと勢いよくかかとを地面に落とす「かかと落とし」もありますが、こちらは骨に縦方向の刺激をあたえて骨密度を上げるための健康運動であり、蹴り技ではありません。


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