【62話】想う力 10
「ミサキ、いくわよ」
「うゆ」
三度目の魔導弾を回避して、ふたりは横に並び立った。
「玉兎ごときが、わたしに勝てると思うな」
デアは巨大な魔導弾を撃ちだした。
「「ルミナバーリヤ!」」
ふたりで満月型の盾をつくり、魔導弾を防ぐ。
「わたしは機械神であり創造神。創る側のわたしに、つくられた存在である、きさまらが敵うわけないのだ」
デアが壇上から、ふたりを見くだす。
「知っているぞ。きさまら玉兎は、もともと人間の想像から生まれた妖怪だということを」
「ええ、そうよ。わたしもミサキも半妖だけど、あなたの言うとおり、わたしたちのご先祖さまは人間の想像力から生まれた妖怪よ」
くらりには話したが、ミユキたちの世界には生物として生まれた妖怪のほかに、人間の想像力から生まれた妖怪もいる。
玉兎は人間の「月にはウサギがいる」という想いの力から生まれた妖怪なのだ。
「錬想術は想像の力。わたしの創造力には敵わない」
デアがふたりをあざ笑った
* * * * *
「たしかに、いまのわたしたちに、あなたをたおす力はないわ」
「このままでは時間切れで、ミサたちの負けなのです」
「だから考えたのよ。どうしたら、あなたをたおせるのか。それをこの世界に来てから、ミサキとふたりで頭が痛くなるまで考えこんだわ」
「そして、やっと、こたえを見つけたのです」
ミユキは左手を。そしてミサキは右手を。
ふたりはルミナブレスを着けた腕を、たがいに向かってのばした。
「わたしたちはふたりでひとりの魔廻り。見せてあげるわ。これがわたしたちの切り札よ」
たがいの手を握りあい、ふたりは声を合わせてさけんだ。
「「ルミナスタッチ!」」
(つづく)
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日本では、玉兎が月でついているのは餅と伝えられていますが、中国では不老不死の仙薬をつくっていると伝えられています。
なお、餅をついているのは、望月(満月)と餅つきを掛けたとも言われています。




