第25部 挿絵あり
クリスタルとアナスタシア
王室警護隊隊長クリスタル「おれ、昨日晩、徹夜で盗賊討伐行ってきたんだぜっ!」
アナスタシア王女「ダメ! いまから若い侍女たちとピクニック行くの♪ 警護しなさいっ!」
クリスタルの持っている剣は魔法剣モードの妖剣ダイモス。
『ジョー・デウスとの戦い1』以前の平和な日々のクリスタル(17歳)とアナスタシア)(16歳)です
これを四コマ漫画にします。これは『起承転結』の「起」です
「ちょい話がある」とグリシュが言って右手を上げると、城の美しい中庭だった辺りの景色は、城の王家の地下墓場になった。陰気でカビ臭い匂いがする
「ここはバルジニア城の地下墓場だ。ここなら誰もいないだろう」
「俺の側もお前に頼みがある。女教皇様が時空の狭間に、ジョー・デウスの魔力で騙されて、封印されてしまってる。女教皇を救い出すのに力を貸してほしい。その神話クラスの妖剣ダイモスの力が必要なんだ」とグリシュ。
「女教皇様?!」とクリスタル
「ああ、喜んで協力する」
「よし、じゃあ、リペナの町の酒場で待ってる。出来る限り早く来い。じゃあなっ」
「じゃあね♪」と女の声がした。クリスタルが振り向くとステラが笑って、昔のジルバニア王たちの石の棺桶の上に座っていた。
クリスタルとグリシュは驚いたが
「さすがは盗賊だな」とグリシュ
「ああ、おまえ。 ちょうどいい。 これは俺にくれた素敵なプレゼントのお返しだ」
といきなり、グリシュの手の上に短剣と盾が現れた。
「武器もなしに丸腰じゃあ、使い物にならんからなあ。
ルド女大公が錬金術で、むかし俺のために作ってくれたもんだ」と得意げ
「うざいが使い方説明しとく。よく聞けよ。
短剣は敵を凍らせる。盾は小型だが鏡反射魔法がかかってる」
「使ってると、ウンコになるとか?」とステラがいたずらっぽく笑う。
「そんな性能はないっ!」とグリシュは真面目に返事した。
「すごいな、ありがとうって、代わりに俺が、言っとくよ。これなら役に立つだろう」とクリスタル。
「それはそうと、リペナの町ってどこだ?」とステラ
「各町にあるハンター酒場で聞けよ! じゃあなっ」と、地下墓地に冷たい風がピュッと吹いてグリシュは消えた。
ステラはもらった短剣、盾を装備した。
お洒落なでデザインで16歳の美少女の華奢なステラに良く似合う。
「良く似合うよ」とクリスタルは思ったことを言った。
「ああ、ありがとう」とステラはまたいたずらっぽく笑う。
バルジニア城で幽霊退治の報告で執事から礼を言われた。
「ハンターのみなさま、お仕事ご苦労様でした」
ステラが「報酬は?」と言うが、
執事が「リリン王子がもうクリスタルさんにお支払い済みのはずですね」と言われた。
ステラから「分け前頂戴よ」とクリスタルは言われて、
ステラとハミルの二人に、金貨二枚づつ渡した。
「あたしも」とリユが手を出すがクリスタルは無視した。
ハミル・ガウに「リンダ隊長の言うことはちゃんと聞かないと、パーティリーダーは務まらないぜ」と皮肉を言われた。
その夜、ジルバニアの宿で、リユとハミルもいる宿の食堂で、
クリスタルは、ステラに
「ぼくは、リユもハミルも素性を知ってるけど、君のことは何も知らない。
自己紹介してくれないか?」
「ああ、いいよ。あたしは……じいちゃん、大盗賊ナバールに育てられたみなしごさ。どこでどう産まれたか分からないけれど、物心ついたときは、もうナバールといっしょにいた。5歳でもう盗みで自活してたよ」
「ナバールっていやあ、ヴィルガルド大陸一の大盗賊だな」とクリスタル。
「王室警護隊だった俺にとっちゃ頭の痛い敵だったな」
「ああ、五年前に死んじまったけど、そのとき、ナバールのお宝装備を譲られたのさ」
「大盗賊のお宝装備って何だ?」
「今着てる服だよ。魔法の盗賊の三点セットさ」
「へえ」
「『すべてのものを盗む』ていう皮手袋と、『逃げ足の靴』ていう靴と、この『身交わしの服』さ」
「なかなか渋いセンスだな」
「自分じゃ、イケてるって思ってるけどナ?!」
「それにグリシュにもらった氷の短剣と鏡の盾で、万全の装備だな」とクリスタル
「ああ、あいつにゃ、感謝してるよ。あのウンコあにぃーにゃね」
「そんな呼び方したら、返せって言われるぞ!」
「言わねえよっ。あははは」
「じゃあ、これからの予定を言う」
「ああ」「おお」「いいよー」
「女教皇を救出に行く。それに関して報酬が出るかどうかはわからない。それでも行くか?」
「いいさね」「行くよ」「付き合うさ」
「よし三人とも僕と同行するんだな?
じゃあ、一応これからリペナまで行く食費と宿泊料と交通費は自腹で……」
「クリスタルさん、リリン王子から金貨100枚貰っといてそれはないですよ」とハミル。
ステラ「あの女幽霊退治にそれだけもらったのか? じゃあ、現地までリーダーのおごりだな」
「そりゃ、ないよ」とクリスタル。けっこうクリスタルもがめつい。
馬は世話してやれないので、また馬市で売って、四人は駅馬車と船でリペナ町まで行くことにした。
リペナの町は、ヴィルガルド大陸の西側にある古代遺跡の観光都市だった。
酒場でヴィルガルドの地図を購入し、駅馬車と船を乗り継いで、二週間後に、クリスタルとリユとハミル・ガウとステラはリペナの町に着いた。




