第26部 挿絵あり
クリスタルが地図で調べた駅馬車と船の乗り継ぎは
バルジニア町→馬車→副王都メジン→船→港町アッバ→船→港町ヘゲ→船→王都ラフレシア→馬車→女教皇庁市→馬車→ポプリ町→馬車→リペナ町
船行4日、陸行10日の旅であった。
バルジニア町と王都ラフレシアの間に、国王が悪魔と取引したことが原因と(言うことにされている)いう『不浄なる死』に見舞われ、国が丸ごとゾンビ化したハルモニア王国があるため、少し回り道になった。いま、ハルモニア王国であった土地は聖王ジョー・デウスの名によって立ち入り禁止区域にされている。途中の街道は板で封鎖され、看板には「不浄なる死の区域につき立ち入り禁止」と書かれている。
途中立ち寄った、王都ラフレシア
「わあー♪何て綺麗な白大理石の町なんだろー♪」とリユ
ここで以前ーー王宮の最も神聖な真奥ーーに無我夢中で乱入したクリスタルは、氷河ライオンのマスクを被って顔を隠している。
王都ラフレシアの兵隊詰め所横を通ると、関所があり、通行人をチェックしている。関所には木の立て札に最重要犯人の指名手配犯の人相書きが張り出されている。
SS凶悪犯の人相書きの中にクリスタル・ブラスターの名前と似顔絵が張り出されている。
関所で兵士たちに氷河ライオンのマスクを取るように言われて、クリスタルはイケメンの素顔をずっと顔ゲーの変顔にしていたので、リユは笑いをこらえるのが大変だった。
王都ラフレシアは恐ろしく人が多く、賑わい栄えている美しい白大理石でできたすばらしい町である。
この世にこれほど美しい街があるかと思うほどの見事な市街である。
街角にはライオンの顔の水道がありそこから清水が湧きだし、清潔な生活用水路が整備され、税金も安い。ヴィルガルド大陸全土から大勢の一攫千金を夢見る人々が集まり、王都ラフレシアは華やかな都である。
ハミル「俺も初めて来たけど美しい街だな」
ステラ「みんな、笑顔で景気良さそうだから、盗賊にとってもサイコーの街ね。ウフフ♪」
クリスタル「お前、その『すべてのものを盗む』という魔力のついてる皮手袋でスリすんなよ?! それでパクられたら、俺まで下手すりゃバレる」
リユ「レストランの料理が、どの店もめちゃくちゃ美味しいわ~。わーい(^^♪」
「もっとここに滞在したいよー」と言い張るリユを小脇に抱えて、クリスタルは女教皇庁市行の駅馬車に乗る。
ーーグリシュ・ルドの指定したリペナ町へ行くために馬車で街道を走り途中で船に乗り換え忙しかったーー
女教皇庁市よりリペナ町に赴任する白髪の司祭と年配の行商人が四人と駅馬車に乗り合わせた。
司祭と行商人が世間話をしている
行商「司祭さま、どこへいかれますか?」
司祭「私はリペナ町の教会へ明日から赴任しなければならない司祭です」
行商「そうですか。女教皇庁は女教皇さまが不在になられて10年になりますね」
司祭「左様ですな。前の女教皇様が聖王ジョー・デウス様と王都ラフレシアの王宮内で一緒におられるとき、強力な魔物に襲われて、女教皇様が殺されてから10年の歳月が流れましたなぁ」
行商「しかし聖王ジョー・デウス様はなにゆえ新しい女教皇様の選出と即位に反対されるのでしょうかね」
司祭「私どもにはわかりませんね」と思案顔で続ける
司祭「ジョー・デウス陛下あのお方がヴィルガルド大陸を征服なさり覇王となられて、諸国の王たちより聖王の称号を受けられて、ヴィルガルド大陸は平和で戦争も全くない世界になりました」
行商「私ども商人にとってはありがたいことです」
司祭「聖職者にとっても心安らぐありがたいことです」
行商「善政を布いてくださる聖王ジョー・デウス様と聖王子アドニス様の御世が続く限り、この世界は平和で庶民も幸せですな」
司祭「全くです」
駅馬車は無事にリペナ町へ着いた。
酒場に行くと、ギルド酒場の奥に、グリシュ・ルドが誰かを連れて、待っていた。
「ふん。ようやく来やがった」とグリシュ。
「待たせたな」とクリスタル。




