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精霊ピエロと迷宮な日々  作者: なお☆プリン
カウントアップ:3
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友達到来の芽妹の家(芽妹)

「たっだいまー!」


母さんの声だ……いつもより5割増しぐらいに威勢がいい。


「お、お邪魔しまーす。」


少し遅れて聞こえてきたのは、梨乃の声。来てほしいと願ったのは俺なのに、「梨乃が家に来た」ということが確定しただけでなんでだか少し恥ずかしかった。


「あ……芽妹。」

「よ、よぉ、梨乃。……とりあえず上がりなよ。」

「う、うん。お邪魔します。」


……まともに梨乃の顔を見て話すのはいつ以来だろう。いつも目を合わせないように意識していたから……それに、梨乃の態度もいつもと違う。いつも学校で話すみたいに話したいのに……


俺と梨乃は向かい合って座る。けれどもやっぱり、お互いに顔を合わせてはいない。


「ねぇねぇ、リノさん?」


俺達が黙って下を向いていると、ムースが梨乃に声をかけた。

ムースなりに気を遣ってくれているのかな。


「なんでしょうか……?」

「リノさんはメイのことスキデスノ?」

「!?」

「ちょ、ムース!」


そんなことはなかった。というか、いくらなんでも直球すぎるだろ……。

おかげで梨乃は、目を丸くして固まってしまった。

ど、どうしよう……。


「ムースちゃん。ちょっと手伝ってもらえる?」

「ワカリマシタワ。」


母さんに呼ばれて、ムースはキッチンへと消えた。

えーっと、えーっと……


「とりあえず俺の部屋行こうぜ!それから色々話そう、な?」


俺がそう言うと、梨乃はコクコクと何度もうなずいた。

それを確認してから、俺は梨乃の手を引っ張って速攻で自分の部屋へ入り、扉を閉めた。


「梨乃……ごめん急に。」

「ううん、むしろ嬉しかったよ。こんな風に誘ってくれるなんて。」


そう言った梨乃は、まっすぐとこっちを見た。

少し照れくさいけど……さっきみたいに顔を反らすほどじゃない。

自分の家に梨乃がいるという、この状況に慣れ始めたってことなのかな。


「……マジで?」

「マジ。ふふっ……」


突然梨乃が笑いだした。

何かおかしいところがあっただろうか。


「な、なんか変か?」

「いや、芽妹とちゃんと話すの久しぶりな気がして……嬉しくて。」


……梨乃も同じこと考えてたのか。

それが分かると同時に、なぜか頭が熱くなった。


「……芽妹、なんか顔赤くない?」


梨乃が不思議そうに尋ねてくる。

……見抜かれてしまったのか。ま、隠すつもりもなかったけどさ。


「そうかなぁ?ちょっと部屋が暑いとか?」

「確かに寒くはないけど……そこまで暑くもないよ?」

「えっと……そうか?」


……隠すつもりはなかったけど、なぜか誤魔化してしまった。

これ以上追及されても、なんて返せばいいのか浮かんでこないし、さっさと話題を変えてしまおう。

そう思った俺が切り出すより、梨乃の一手が速かった。


「もしかして、芽妹もおんなじこと考えてる……とか?」


……バレてる……いや、あてずっぽうかも。あ、でも……


「あれ?もしかして……逆……?」

「それは違う。嬉しいに決まってるだろ!今だって、やっと2人きりになれたんだぞ、嫌なもんか、むしろずっと待ってたんだ!」


考えるより先に言葉が出ていた。

……しかし、梨乃の反応はなく、部屋に流れる音が、消えた。

加えて僕も、しばらく固まっていたが、さっきのセリフがなんというかその、捉えようによっては……いや、事実だけども!

……なんて続ければいいんだろう。


「えへへ……」


沈黙を切り裂いたのは梨乃の漏れ出たような笑い声。

つられて俺も笑ってしまう。


「良かったぁ……最近、2人の時いっつも顔見てくれないから、嫌われたのかと思ってたんだよ?」

「ごめん……別にそういうわけじゃなかったんだけど。」

「でもさっきのセリフ……もしかして、梨乃のこと好きになってくれてたりするの?」

「そ、それは……」


もちろん、答えは1つに決まっているけど、改めて口に出すのは恥ずかしい。さっきのは勢いで出たようなもんだし……。


「なーんて。梨乃は好きだよ、芽妹のこと。」

「はっ!?」

「親友として()。」

「え、それって……」


追及しようとした俺の口に、梨乃の人差し指が当てられた。


「梨乃、お菓子食べたいな。少しお腹すいちゃった。」


そう言うと梨乃はそそくさと部屋を出ていった。

振り返る時の梨乃の横顔はなんとなく赤っぽく見えたけど、見間違えただけかもしれない。

もちろん、すぐ追いかけて問いただそうとしたのだけれど、なぜか足に力が入らず、立ち上がるのに時間がかかってしまった。

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