仕事です、解散です。(灯太)
路野江が連れていかれたが……
「ま、話を続けよう。」
俺は空気をリセットする意味も込めてそう言った。
「俺達の時に精霊が来て、その時対立してたの誰だか覚えてるか?」
さらに続けて質問する。忘れてるやつはいないと思うんだが……
「柄闇家、だろ。」
忘れるわけないだろ、とでも言いたげな顔で声のトーンを落として、秀島は呟くように言葉を吐いた。
他の2人もまさにそれを言うつもりだったと、うなずいて示した。
……もしかして教頭は気を利かせてくれたのか?
いや、今はそんなことはどうでもいい。
「そうだ。昨日もこの学校でおかしな事が起きた。あくまで俺の考えでしかないけど、あれも柄闇家が絡んでたんじゃないか……と思ってな。」
「柄闇家が動き出すにしても、12年前にかなりダメージをおったんじゃないのか?」
秀島が疑問を抱くのも無理はない。
だが……
「12年も経ちゃあな……」
そう言って俺は頭をかいた。
それしか言葉が出てこなかった。
内部に通じてるやつがいない以上、情報が全く無いのだから。
「あ。私そろそろ行かないと。」
霞が何か思い出したように荷物をまとめだした。
「また研究所?」
「そう、久しぶりに5人全員で会おうってなったのよね。」
秀島にそう答えた霞はどこか嬉しそうだった。
確か同級生と一緒になにかやってるんだっけか。
と、電話の着信を告げる音が鳴った。
「……はい……4時から。了解しました。」
秀島は電話を切るとこちらに向き直る。
「悪い、仕事が入った。俺も行くわ。」
「じゃあこの話はまた今度だな。」
俺はやや強引に話を切った。
「じゃあ、僕も帰る……」
「またな。」
皆、各々のやることをやりに行ってしまい、職員室にいるのは俺だけになった。
俺はコーヒーを入れて自分の席に座った。
少し口をつけ、天井を見上げる。
「なにか考えとかないとな……」
仮に誰かいても聞こえないくらいの声で呟いて、コーヒーを飲み干した。




