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精霊ピエロと迷宮な日々  作者: なお☆プリン
カウントアップ:3
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芽妹→梨乃(芽妹)

「……もしもし、夢里ですけど……」

「あ、夢里さんのお宅ですか?えっと……」


俺は次に出す言葉を探した。

難しくないことなはずなんだけど、すっと出てこなかった。


「……もしかして、芽妹?」

「おお、梨乃か。」


なんとなく最初の声で梨乃な気がしていたけど、これで確信がもてた。

梨乃だと知ったら、なぜかまた言葉が出てこなくなる。


「突然どうしたの?」


そう訊いてくる梨乃の声が──


「泣いてる?」

「えっ。」

「あ、いや、えー」


思わず口にしていた。

でも、なんか聞いちゃいけないことのような気もした。

──ここからどう繋げよう──

──なんて言い訳をしよう──

そんな考えが頭のなかを巡る。


ダメだろ、そんなんじゃ。


「あのさ、梨乃。俺ん家こない?」

「……え?」

「その、俺暇だからさ。」


そう言いながら、俺は電話の親機を使ったことを後悔していた。


「いいの?」

「うん、梨乃がよければ泊まってもいいって母さんが。」

「……お母さんに代わってもらえる?」

「分かった。」


俺は、梨乃にそう言って受話器を母さんに渡した。


母さんは受話器(の向こうにいる梨乃)といくつか言葉を交わし、俺に受話器を向けた。一言


「オッケー。」


と言って。

なにが、とは思ったけどひとまずは感謝しなきゃか。


「もしもし、梨乃?」

「あ、芽妹。あのね、芽妹のお母さんが迎えに来てくれることになったから。」


「そういうことだから。いってくるね~!」


そういった母さんはもう玄関にはいなかった。

俺が玄関を見たときに丁度ドアが閉まったし。


「え?母さん!?」

「じゃあ、私も準備するから、切るね。バイバイ、」

「あ、じゃーな!」


と元気に別れの言葉は言ったものの……

……なんか腑に落ちない。

大体は母さんのおかげだしな、これ。


「メイのオカアサマはサスガですワネ。」

「凄いことにはすごいんだけどさ……」


そう返して、ふとムースの方を見るとなにか頬張っていた。

……エクレアだ。


「マ、とりあえずマチマショ、オヤツでもタベテ。」


そう言ってムースはシュークリームを差し出してきた。


「ありがと。」


短くそう伝え、俺はシュークリームの袋を受け取り、開けた。

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