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精霊ピエロと迷宮な日々  作者: なお☆プリン
カウントアップ:2
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七不思議巡りー退育館(進)

私は逃げようとしてたのかな。

面倒なことだと思ってたのかな。

……ううん。こんなこと考えるなんて私らしくないや。



ともあれ、私達は体育館に来た。

……別に行き先はテキトーに決めてるわけじゃないんだよ。

……私は。

ちらっと栞の方を見た。


「なんでこっち見るのさ。」

「いや、なんでも……」


バレてた。

実際のところ回る順番は栞がテキトーに決めてるんだよね。


「体育館……か。」


玉が静かに呟いた。

その表情はとても真剣で、でもどこか疲れているように見えた。


「何かが出そうですよね。」

「ねみぃ……」

「玉先輩?」

「あ、ごめんごめん。」


露季の言葉に対しても反応が鈍い。


「大丈夫?眠いの?」

「あっはは……。大丈夫、 たぶん。」


栞からも心配されてるし。

これでなんか強いやつ出てきたら危ないんじゃないかな……。


「まあ、いざとなったら逃げればいいよね。」


栞は軽いし……本当に大丈夫なのかな……?


とりあえず、何が出るかも分からないので、私は少しだけ、扉をスライドさせた。ちょっと錆び付いてて重かったけど。


隙間から4人で中を覗く。


「暗いですね……。」

「真っ暗だね。んー?なんも見えないよ。」

「うん……うん……つゆだくで……」

「あり?おーい、たまー?……寝てるし。」


そう言うと、栞は玉を背中に背負った。


「保健室に寝かせてこようか……?でも、1人だと危ないかな……?」

「ですね。できるだけ、一緒にいた方がいいかと。」

「じゃあ、栞は玉おぶっといて。」


私は栞におんぶしておいて欲しかったのだけれど、


「えっ……玉を殴るの?」

「『玉をぶっとく』じゃなくて『玉おぶっとく』の!おんぶだよ。お・ん・ぶ。」

「あ、あぁ。オーケー。」


どうも本当に分かっていなかったらしく、栞は若干殴る動作に入りかけていた。

まあ、すぐにおとなしくおんぶしたけどね。


……にしても、これ。体育館の中が真っ暗というより……


真っ黒(・・・)だね。」


と私は聞いているかは分からないけど、2人に言った。


「真っ黒……ですか?真っ暗ではなく?」


露季からは反応が帰ってきた。

その後すぐに、露季が扉に手を掛け、横に引いた。

大きな――比較的大きく、ゴロゴロと――音を立てながら扉が開かれた。


と、扉が開ききるよりも前に、隙間から大量の黒い煙が……


「……あれは、闇?」


勢いよく空高くへ上がって散り散りになったその煙を、目で追いながら露季がそう呟いた。


「……なぜ?」

「とりあえず、中を見ておこうよ。」


私は、空を見上げたままの彼女の肩を2回叩き、そう提案した。

彼女もそれを聞いて、うなずいてくれた。

栞は……玉を膝枕している。邪魔しない方がいいか。


「2人はいいんですか?」

「うん。たぶん2人とも疲れてるし……ね。」


私は露季にそう言って、体育館の中に入った。露季もそれに続いてね。





倉庫、二階(といっても細い通路しかないが)、ステージ脇、トイレ……色々探してみたが、特にこれといったものは見つからず……

露季の方に目をやったけど、彼女も首を横に振った。

……仕方なく私達は体育館を出た。


外に出ると、玉と栞が立っていた。


「なんだ、目が覚めたから入ろうとしてたのにー。」

「なんかあった?手がかり的ななにかは。」


栞の問いかけを受けて、私達2人は顔を見合わせて、その後、首を横に振った。


「……そっか……なーんだ、体育館にもなにかいると思ったのに。」


栞は残念そうに言っているが、なにか……というか闇が恐らくいたはず。

彼女は見ていなかったけれども。


私と露季で左右の扉を閉め、また、校舎の中に入った。


あれ?

「露季ー?早く来なよー!」

「ご、ごめんなさいっ。」

体育館の入り口でボーッとしていた露季に声を掛けると、駆け足でこちらまで来た。


「よし!今度こそ見つけてやっかんな!」

「そーだね!私達もなにかしないとだよね!」


少し休んで元気になった2人が私と露季より少し前を歩く。

玉まで元気になって、また元気なのが2人に戻った。


「……ねぇ、先輩。」


突然、露季が話しかけてきた。


「ん?どしたの?」


私は、闇関連かな?多重人格のことかな?と考えを即座に巡らせる。(あの会話を聞いた限りだと彼女の場合、後者も闇関連になるのだろうが。)

しかし、だ。飛んできた疑問はちょっとそことは違うところを狙っていた。


「なんで、体育館……いや、どの教室も()開いてたんですかね。」

「……っ。」


口から言葉は出なかったが、私の頭は回っていた。

瞬間、時計の秒針が動くより前に、校長――須崎の顔が浮かんだ。


まさか。いや、アイツ以外にいるか?


「心当たり、あるんですか?いや、あるんだな?」


突然露季が口調を荒らげる。こんなキャラだったっけ?


「この学校にも、悪いやつがいるのか?その……校長とか。」

「いや……わ、わからない……少なくとも、今の段階では。」


私は嘘をついた。少なくとも、悪いやつだと知っているのに。


「……そう……か。突然突っかかってごめん、なさい。その……えっと……」

「あはは……意外な1面をみた気がするよ!」

「……うぅ……。忘れてください……熱くなっちゃって……。」

「大丈夫、大丈夫だよ。言わなきゃいいんでしょ?」

「はい……お願いします。」


私は、顔で笑って誤魔化した。

校長が多目的室で暴れた時、彼女がいたはずなのを思い出したのは、会話が終わって少ししてからだった。

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