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精霊ピエロと迷宮な日々  作者: なお☆プリン
カウントアップ:2
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七不思議巡りー理化室(進)

結局、言い出せず理科室に来てしまった。


「さてと。」


栞が空気を整えるように言った。


「行こうか。」


「だねー。」

「……はい。」

「よし!」


私達は気を引き締めた。

また何が襲ってくるか分からないからね。


――コンコン――栞が扉を叩き、開いた。


部屋の中は、窓から差し込む月明かりに照らされていた。


その奥。

黒板の前に、さっきの楽器のように黒い煙が溢れている、骸骨(がいこつ)が見えた。

あれは……人骨の模型か。


「お?遅かったなぁ?」


かと思ったらその模型が喋りだした。


「しゃ、喋るのか……。」


栞が露骨に引いている。


「えぇ……、なんで引いてるんや。ワイ、ショックな件~。」

「……何者なのかなー?キミはー?」

「ワイ?ワイは|何でもないで?」

なんでもない(・・・・・・)?個体の概念がないのかー?」


自分が何者か分からない……。

やはり、闇ということか。

いや、闇は自我を持つことはないはず。

何かで読んだんだよね。


「闇の意識……ねぇ。」


そう呟きながら、栞が露季の方を見た。


「……?なんでしょうか。」

「いや、なんでも。」



「で、なんや。ワイと戦うんか?」


「いや、できれば戦闘はしたくない。」


栞が即答した。


「せやろうな~。ま、ワイみたいなんを生み出したアイツらが悪いわな。」

「……アイツら?」


「ああ、せやな、教えたげるわ。闇がいつでも従うと思ったら大間違いやしな。」


そう言うと、模型は背筋をのばした。


「ワイを生み出したんが運の尽きや。」


そう言うと、さらに続ける。


「ワイを生み出したんはな、そこにいる―――」


刹那――模型の頭部は跡形もなく消しとんだ。


同時に闇も、まるで液体のように弾ける。


でも、それはその瞬間だけで、私達の体につく前に分解して、消えたわけだけど。



「ひっ。」

「……えっ。」

「んー。」

「ぐっ……。」


私達はあまりに瞬間的すぎるその出来事に少しの間、理解が追いつかなかった。


「喋りすぎて消されたのかな。」


玉が冷静な口調で続ける。


「正体バラされたくなかったのかね。」

「そうじゃない?自分で出した闇なんだろうに、扱い酷いな……。」


栞は、先程までそこにいたヤツに同情しているような口ぶりだった。


自我を持つほどに濃い闇……

しかも、それを分離させておける……

常人でそこまでの闇の使い手がいるのだろうか。

いないわけではないだろうけど……やはり……


「柄闇の人間かもしれません。」

「え?」


露季が突然そう言ったので、私は反応を迷った。

だけど、玉はそうではなかったみたいで、


「んー。そう考えるのが妥当だろうね。ただ、柄闇の血が入ってる人は一杯いるから……探し出すのは難しいかもね……。」

「いえ、さっきの感じだと生み出した人間が彼を消したと思われます。」

「つまり……?」

「彼は完全に生みの親から切り離されていなかった……ラジコンのような感じだったのでしょう。」

「あぁ、そういうことね。」


つまり、まだ近くに……?


「えっ?どういうこと?」


栞はピンときていないようだった。

なぜだか、彼女はヘンなところで鈍い。


「つまり……黒幕はまだ、この校舎の中にいるのではないか、と。」

「なに?だとしたら!」


思い立ったら即行動、しようとした栞を露季が止めた。


「相手が何者か分からない以上、あまり少数になるのは危険です。」

「あ、確かにそうだね。」

「彼のような闇が他にもいる可能性があるので、一応全部回りましょう。」

「え?でも、黒幕が……」

「いえ、さっきのようにバラされるのを恐れているでしょうし、いなくなってはいないでしょう。」

「1度ああなってしまったら、不安要素が0にはならないもんねー。」

「なるほど。」


どうやら栞も納得してくれたみたいだ。


「じゃあ次、行こうかー。」


玉の呼び掛けに3人は無言で頷いた。

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