七不思議巡りー音楽室(進)
流れるように職員室から離れた私達は、校舎の一番端にある、音楽室に来ていた。
「じゃあ、まずは音楽室ね。」
玉は音楽室のドアを――ドンドン――ノックした。
「しっつれいしまーす!」
「玉お姉ちゃん、声が大きいです。」
ともあれ、4人は音楽室の中に入った。
私は、みんなに定番の怪談……というか七不思議をきいてみたかったので、
「音楽室だと、どんな不思議があるのかな?」
と言った。
3人は口々に
「動く肖像画とか?」
「勝手になる楽器とかですかね?」
「帰ろうよぉ……。」
みたいな感じで言った。
肖像画かー、確かにあるかも。
「じゃ、肖像画見てってみようよ。」
私の提案を聞いた3人はうなずいた。1人は渋々だけどね。
近づいてみたけれど、目で追ってくるとか喋りだすみたいなことは起きなかった。
「なーんだ、喋ったりとかしないの?」
あきれたように玉が、そう漏らし、
「ほっ……。」
栞は分かりやすく安心していた。
しかし、その栞の安心を打ち砕くようなセリフが露季から発せられた。
「あの……。なんか聴こえませんか?」
「えっ……。」
露骨に青ざめる栞がいた。
耳をすますと確かに何かが聴こえてくる。
「これ、なんの音?楽器?」
と私が訊くと、
「たぶんそうじゃない?準備室の方からだし。」
と玉が返してきた。
準備室といえば色々な楽器を保管しているところだ。
勝手になるということはあり得ないだろう。
つまり……?
「いやいや、深入り止めようよ~。今ならまだ、引き返せるでしょ……?」
栞は消え入りそうな声でそう言ったけど、ほか3人が
「とりあえず見ていこう」と言うと、諦めたみたい。
ともあれ、準備室のドアをゆっくーりすこーしだけ開けて、
4人でその隙間から覗く。
その中に―――人影はなく―――あるのは楽器だけだった。
いや、人影がない以外にも変なモノがある。
楽器とバチの間にそれぞれ、月の光を浴びてぼんやりと浮かびあがっている黒っぽい煙のようなものがあるんだけど。
しばらく見入っていたけど、私のかかとに何かがあたっているような、そんな感じがして、はっとした。
「――――誰?」




