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進のカタパルト(進)
外に出る。角を曲がる。
グラウンドの真ん中あたりに玉と誰だか知らない人がいた。
玉の方は突っ立っているように見えるけど、もう1人の方はしりもちをついたような形になっていた。
「たまーっ!」
栞が私の後ろから声を荒げて名前を呼んだけど玉はこっちを見てすらくれなかった。
今は聴こえてないのだろう。
玉が腕を振り上げた。
玉も栞も能力は戦闘向きじゃないけど、偽精霊という時点で(そこは私もだけど)一般的な人間と比べればパワーがかなり強い。
もし、玉に殴られたりなんかしたら……。
私達は玉に向かって走るけど、このままじゃ間に合わない……。
ここからなら跳べるだろうか。
そう私は考えて、足に力を溜め……地面を強く蹴った。
蹴るのと同時に目の前の空間が歪んだ。
一度解放した力を戻すこともできず、その歪みに私は突っ込んだ。
その直後に見えたのは玉の横顔で、
玉が、倒れている誰かに向かって「社会不適合者」といいはなったように聞こえた、その瞬間。
私は玉にぶつかると
まっすぐすっとんでいき
そのまま体育倉庫の扉にぶち当たった。




