校内探索し隊ー3(進)
保健室に着いた。言うほどのことでもないかな。
ドアの向こうからは特に音も聞こえてこない。
私はドアを開けて中に入った。
一番手前のベットに……
「進……せんぱい……?」
「よっ。」
予想していたものよりはるかに小さく、か弱い声で自分の名前が呼ばれた。
なんて繋げばいいのか戸惑っていると、
「はろー!また会ったね!」
「……。」
私の後ろから栞が飛び出した。
それを見て、露季は隣にあったウサギのぬいぐるみを無言で抱きしめた。
「あり?やっぱり警戒されてるのかな?もっかい撫でた方がいいかな?」
栞はそういいながら、指をウネウネと……そう、いわゆる触手……というやつだろうか。
まさにそんな感じで露季に向かって、手を伸ばした。
「ひぃぃっ!」
「さ、さすがにやめてあげて。露季、怖がってるから。」
私はさすがに見かねて、栞にストップをかけた。
栞は少しシュンとしていたが、
「ね、ね、一回だけでいいからさ、撫でさせてよ~。」
と、露季にしつこく頼んでいた。
さすがの露季も折れたのか、
「一回だけですよ……?」
とあきれていた。
「うっしゃ!じゃあ……。」
許可をもらったらこっちのもんだ、とでも言わんばかりに撫で回していた。
そしたら何を思ったか、
「ここからの視聴は『有料会員様限定コース』だね~!」
栞が私にそう言ったかと思うと、即座にカーテンを閉めた。
……これは、止めた方がいいのだろうか。
「お、おーい?あんまりやり過ぎないでね~。」
「大丈夫、だいじょーぶ。」
軽い返事だけ返ってきた。本当に大丈夫かな……。
3分程経って『有料会員様限定コース』が終わったようで栞が出てきた。
開かれたカーテンの中にいた露季は、思ってたより柔らかい表情をしていた。
……本当に何をしたんだ。
ともあれ、初見で拒絶されなかっただけ良かったんだけどね。
「あーあ、今日私も保健室泊まろっかな~。露季ちゃんと寝たいし~。」
「私も、寝たいな。」
「なら、灯太に許可貰ってこなきゃね。もっかい職員室行こうか。」
「オッケー。」
「よかった……1人だけじゃ寂しいもん……。」
……露季も素直な時は素直なんだね。
そんな事をふと思ってみた。
そしてすぐ、こんな事考えるなんてらしくないな……、って。
「じゃあ再び職員室だ!」
栞がそう言った矢先。
爆発音が轟いた。
これは……
「グラウンドだ。」
私は思わず口に出した。
「進、そっちが先だね。露季ちゃんはここにいて。」
「わ……わかりました。」
「ごめん。ありがとう、栞。」
「なんで謝るんだよ。ほら、行くよ。」
私と栞は保健室を出て、校舎から出るために走った。
私達2人の嫌な予感は恐らく一緒だ。
玉……かもしれない。
栞みたいな暴走だろうか。
とにかく急がなければ。




