3名の偽精霊ー4(進)
「ねえ、あの露季って子はさ。」
玉が突然喋りだした。
私は少し驚いたけど、返事をする。
「え?うん。」
「……その、多重人格だったりするの?」
「え?」
予想外の疑問に戸惑った。
そんなの聞いたことない。
「私は聞いたことないけど……。突然なんで?」
「いや、さっき頭撫でた時、感情覗かせてもらったんだけどさ。」
なに勝手にやってんだか。
玉は続ける。
「あのさ、2つ以上の感情が混ざることはよくあることなんだ。むしろ、感情が1つってのはなかなかないんだけど。でもあの子の感情はさ、いくつかの感情がまとまって2つに分かれてたんだよね。」
「混ざってたわけではないの?」
思わず訊いてしまう。
しかし、玉は冷静に答えてくれた。
「ええ。分かれていたわ、はっきりとね。こういうの過去に見たことあるんだけど、全部多重人格の人だったわ。」
「つまり……」
「彼女……露季ちゃんは二重人格なんじゃないかな。」
「なるほど……。」
すごいな。そんなことが分かるのか。
とはいえ、私も知らなかったな……そんなこと。
「彼女自体が隠してる可能性もあるから、公表はしないでおくわ。」
「ああ、ありがと。」
玉の気遣いはさすがだった。
そんなやり取りをしているとき、
「やっぱり……そうなのか?」
と、栞が呟いていた。
私はまた珍しいと思い、声をかけた。
「どうしたの?また神妙な面持ちで。」
「……なんだその難しい言葉は。いや、夜ご飯の事を考えていたんだ。やっぱりご飯に納豆をかけるか、それともふりかけにするか……という感じにね。」
「そ、そうか。」
平和なやつだなー。
私はそう思わずにはいられなかった。
それより、
「私達も中、入ろうよ。」
私は2人に呼びかけた。




