散歩というか買い物だけどー1(ユウ)
僕はあの2人が手を繋いでいるのをずっと見ながら歩いていた。
ずっと見ながら。
そのせいで、横から歩いてきた人に気づかなかった。
「あっ。」
「わっ。」
ぶつかってしまった。その拍子にその人が持っていた本が落ちた。
「す、すいません!」
僕はとっさに謝る。
「あ……大丈夫ですよ。そちらのお怪我はありませんか?」
その人はこちらを気遣ってくれた。
僕は「大丈夫です」と言おうとしたが、その人が落とした本を見てそちらに気がいってしまった。
「……?あ、この本ですか?私、精霊について調べてるんです。こういうの興味あって……。」
「そうなんですか?」
「まあ、周りからは笑われちゃうんですけどね……。」
「僕もちょっと興味あります……そういうの。」
精霊……この人はなにか知っているんだろうか。
とりあえず自己紹介でもしておくか。
「僕は水森ユウっていいます。タルトって精霊とトモ……契約してて。」
「!そうなんですか!私は精霊研究家のタマっていいます。」
「タマさん……ですか。」
「ところでですが。」
突然タマが声のトーンを落とす。
「むやみやたらに精霊と契約してることは言わない方がお互いのためですよ。」
「お互い……?」
「まあ、彼の場合は大丈夫かもしれませんがね。」
そういうと、タマは声のトーンを戻し、
「そういうわけなので、また会えるといいですね~。ではまた。」
そう残して去っていった。
……なんだろうあの不思議な人。
「せんぱーい、こっちこっちー。」
「ユウくーん!おーい!」
2人が呼んでいる。そうだ、買い物。
僕は早足で2人の方に向かった。




