スー先輩と栞と玉(進)
「ところでさっきウチ、栞さんのこと妹だと思ってた気がするんだけど……。」
落ち着いたと思ったら、薫が突然口を開いた。
妹?そういえばさっきの電話のとき「進先輩」って突然呼ばれたっけ。
もしかしてこれは……
「……栞、まさか記憶変えた?」
「あ、あはは……そういえば説明してなかったね……。」
栞はオホン、とわざとらしい咳をした。
そして続けて、
「私の能力は『記憶操作』。人や精霊の記憶を変えたり消したりできるよ。」
「記憶を……?」
「ケス……?」
「ついでに言うと、私と同じ時期に作られた『玉』の能力は『感情操作』。人や精霊の感情を操れる……らしいけど、実際どうなのか。偽精霊には効かないのよね、この2つの能力は。」
「え?」
「ソウナノカ?」
一応私もフォロー……というかしゃべっておこう。
私も偽精霊だしね。
「そうだよ。偽精霊はいわゆる人間界のサイボーグだったりアンドロイドだって言ったでしょ?」
「……アンドロイドとは言われなかったけどね。」
「んん。ともかく、半分機械的な存在だからね。心とかそっちの方の能力は効かないんだよね。」
「進の言うとおり。」
栞があいづちをうってくれた。
そういうことなんだよね。
「薫、私そろそろ帰るね。」
玉がどこにいるのかとか知りたいし。
「あ、私も私も。」
栞が続けて言ってくる。
そりゃあたりまえだよね。
「分かりました。気を付けてくださいね。」
「シオリ……といったな。こんどカオリをキズつけたらユルサナイからな。」
2人の反応はそれぞれだが……。
ゼリーの色がぐねぐねと変化している。
「ああ、絶対にそれはしない。」
「私もちゃんと止めるよ。」
私が念を押した。
それを聞いて、薫がゼリーを落ち着かせる。
ゼリーも、薫が止めたことで色の変化が止まった。
どうやら落ち着いてくれたようだ。
「じゃ、またね。」
私は短く別れの挨拶をして、薫の家を出た。




