スー先輩は知っている……?(進)
「まず、偽精霊っていうのはなんだか知ってるよね?」
「はい、昨日聞きました。」
「キノウ、しらべてきた。」
栞の質問に対して2人が答える。
その答えに満足したように栞は何度か頷き、話を続けた。
「偽精霊、というか精霊が生まれた順番なんだけど、まず、『キング』『クイーン』『ジャック』と呼ばれる3体が生まれた。その後、第一世代の精霊が生まれて、私達、3体の偽精霊が生まれたの。いや、生み出された、かな。」
「私達?偽精霊は3体いるんですか?」
薫が質問を出す。
「いや、記録上は第一世代の偽精霊は2体。『栞』と『玉』。もう1体、そこにいる『進』は記録から消されてる。」
「!?」
「ドウイウことだ?」
2人が驚いたような表情を浮かべる。
まあ、それは……
「それは……『進』は失敗作だから、らしい。実際私は玉がバックアップとってなかったら知らないままだった。」
「……」
「……失敗作っていうのは……。」
「うん、無能力……ってこと。」
そうだ。私は能力を持っていない。
作られた精霊である私達は作られていてもあくまで「精霊」だから。
能力がないものは失敗作らしい。
私はなにも言わないでいるのを察したのかどうなのか、
薫が質問をとばす。
「あの……根本的なところを質問してもいい……ですか?」
「何?」
「精霊って……ナニモノなんですか?」
ゼリーも栞も私も、薫の口から発せられたその言葉を聞いて固まった。
といっても、私達ですら、自分達がなんなのか分かっていないのだが。
3人が何も言わない状況が続いたが、とうとうゼリーが口を開く。
「……すまぬ、カオリ。ワレらもジブンがなんなのかワカラヌのだ。」
「そうだったの……。ごめんね、突然こんなこと。」
「いや、薫ちゃん。疑問が生まれるのも仕方ないよ。うん、知ってることは話すよ。」
少し間を開けて栞が口を開く。
「精霊っていうのはね、人々の願いっていうのかな。それから生み出されたの。それ以上のことは私のデータにはない。」
「願い……?」
「アイマイだな……。」
「だから作られた私達には能力無しがいるんだね……。」
私もさらっと呟いた。
私達は願いから作られた訳じゃないからね。
……じゃあなんで偽精霊が能力をもてるんだ?
「そーれーに。今の私は向こうの命令残ってたっぽいから、ちっと危険なんだよね。」
「メイレイ……?」
「さっきウチが殴られたやつかな……。」
「だから、しばらく進と一緒にいたいんだけど……。」
栞の突然の発言に私は驚いた。驚いたけど、
「いいよ。」
私は了承した。古くからの知り合いだし。
「それと、薫ちゃん。さっきはごめんなさい。ほんとうに……」
「……生きてたから、いいです。ただ、先輩のこと傷つけたら許しませんよ。」
栞の謝罪を、薫は許した。
全く落ち着いてはいないけど、とりあえず一件落着……かな。




