スー先輩は見た。(進)
バタン。
ドアが開いた音がした。さっき私が入ってきた方からだ。
私はおそらくもう大丈夫であろうゼリーに対して、
「薫を頼んでいいな?」
と訊く。
ゼリーも侵入者の気配を感じたようで、小さく頷いた。
私は玄関へ向かう。そこに立っていたのは……
懐かしい顔だった。
「栞……なのか?」
確認の意味を込めて言った。外見はあの頃と変わらない……。
でも、表情が……無い。無表情だ。
「進……偽精霊第一世代……2体中3体目……失敗作、データが残されていない。」
「久しぶりなのにそんな言い方ないだろ~!」
あくまで軽く返す。今の栞は……話が通じないな。暴走してるのか……?
私は床を蹴り、栞に向かって跳ぶ。
栞は、私が攻撃すると思ったらしく、ガードの体勢をとった。
その隙は見逃さない。
私は栞にあたる一歩手前で左にずれ、右手で栞の腕をつかんで、そのまま走る。
空いている左手で玄関のドアを開け、栞と共に外に飛び出した。
その瞬間、栞は私の体を蹴りとばし、私と距離をとる。
「進……障害と判断。排除開始。」
「物騒なこと言うなよ~。玉に怒られるぞ~。」
私が特に考えずに出した言葉で、栞が固まる。
私は栞に近づこうとした。気を緩めたのだ。
その一瞬の内に栞は私の目の前に飛んできて、私の額に手を当ててくる。
「忘れろ。何もかもすべて。真っ白になれ!真っ白に!」
栞が怒鳴っている……残念だが、なにも忘れていない。
「何もしてんの?栞。」
「な、なぜ……忘れない……?」
栞はまたしても固まった。一旦止めないと思い出さないのか……。
うーん、どこを殴ろうか……頭は……まずいな。
私は頭の次はお腹かな?ということで、軽く栞の腹部を殴った……つもりだったんだけど意外と力がこもっていたらしく、殴られた栞の体がぶっ飛んで薫の家のブロック塀に打ちつけられる。
どうやら気を失ったらしく動かない。このぐらいで死なないのは知っている仲だが、やりすぎたかな?
気を失っている栞をかついで薫の家に入……ろうとしたら、ドアの前に薫とゼリーが突っ立っていた。
「せ、先輩?」
「いったいナニモノ……?」
やばいな、どこから説明しよう。
「う、うぅ……。」
困っていたら、栞が目を覚ました。
「あ、あれ?進?なんで?……???」
「?」
「?」
「あ、あはは……。どっから説明しようか……。」
本当にどこから説明しよう……。
『ニンガンズカン』
・キミ
セイベツ:♂
ノウリョク:スペースコントロール
セイレイ:ワルドル ♂
ヤミ:アリ
・シロミ
セイベツ:♂
ノウリョク:タイムコントロール
セイレイ:カロック ♀
ヤミ:アリ
・コオリヤマ カナメ
セイベツ:♂
ノウリョク:コオリ
セイレイ:フユ ♀
ヤミ:ナシ




