スー先輩は見た……?(進)
着いた……!薫の家!
私は玄関のドアを開けた。鍵は掛かっていなかった。
「おじゃましまーす……誰もいないのかな?」
返事がない。私は靴を脱ぎ、奥へと進む。
目の前にキッチンが見えた。中で倒れているなにかもみえた。
「お、おい!大丈夫か!?」
私は叫びながら近寄っていった……その時。
視界の隅でなにかが動くのがわかった。とっさに私は身構えた……、がその必要はなかった。
薫だったからだ。
「薫!?とするとあっちのやつは薫の精霊か……?」
「う、うぅ……」
「あ、おい、薫!何があったんだ!?」
薫の方に近寄ると、薫も気を取り戻したのか起き上がる。
……なっ……
薫は頭から血が流れていた。精霊の加護があるから死にはしなかったのか……。
「す、スーせんぱい……。」
「と、とりあえず喋るな。」
……くそっ。私はなんて役立たずなんだ。
気づけなかった……精霊が来たっつーことは目的が出来たんだ。
機能停止してたやつが動き出すのも考えられただろうに……っ。
「すまぬ……ワレがいながら……。」
そう言いながら、キッチンの方から溶けかけているなにかが廊下に出てきた。
なにかじゃないな。薫の精霊の……確かゼリーだったか。
「いや、しかたない。あいつらは傑作なんだ。」
……いや、私が失敗作なだけか。そう言おうとしたがやめた。
そんなこと言っても分からないだろうし。
とりあえずゼリーの方は大丈夫そうだ。
薫は……傷は受けているけど、もう血は止まってるみたいだ。
相変わらず便利な加護だな。
「とりあえず薫が目を覚ましたら話を聞かせてくれ。」
私はゼリーにそう言った。ゼリーはなにも言わず、頷いた。




