松原先生の過去語り―1(灯太)
俺はあの時は、君達と同じ中学生ぐらいでさ。
まぁ、まるで君らと同じ様な感じで、ある日、精霊が突然現れたんだ―――
「契約、しませんか?」
とても綺麗な青い瞳をした雪みたいな女の子が目の前に現れてそう言った。なんのことだろう、と思ったけど面白そうだったので、契約をした。まだ中学生、ビックリはしたけど、怖くはなかった。
名前を訊いたら、
「わたしは、ケーキっていいます。あなたはなんていうお名前?」
俺は質問が返ってきたので、
「俺は灯太。松原灯太だ。」
思わずフルネームをいってしまった。
「とうたさん……すてきです……皆を明るく照らしてそうです。」
俺は恥ずかしくなった。初対面とはいえ女の子にそんな事を言われた事なんてなかったしな。
―――その夜はどうしたかって?
「……そこは……きいてないです……。」
石町から冷たく返ってきた。まあ、別になにもしていない。そのときは、中学生だったからな。
話を戻そうか。
次の日はケーキと一緒に学校に行った。
親にバレたら面倒だし。と思ってたんだけど、なんでも精霊は基本、契約主にしか姿を見せないらしい。
とはいえ、女の子を家にはおいとけないので学校に連れていくことにした。
登校中にいくつか質問をして、人間界の裏に精霊界があって、精霊は任意で精霊界と人間界を移動できるらしい、ということを聞いた。
学校ではクラスメート全員が精霊と契約をしており、その話題で持ちきりだった。
路野江先生っているだろ?俺は彼女と同学年同じ学校だったんだ、クラスは違かったけどな。
で、授業が始まった。そしたら、先生も契約をしていて、精霊が授業の補佐をしているんだ。驚いたよ。
そんなこんなで、冬休み入る前ぐらいの時、俺がケーキと出会って3ヶ月ぐらいしたときにさ路野江が『無能』っていじめられてたんだ。んで、学校に来なくなったらしいんだ。
俺は家が近かったから、冬休み入ってちょっと心配だったから、路野江の家に行ったんだ。
そしたら、路野江の両親は旅行行ってて家に路野江しかいなかった。んで、チャイム鳴らしても返事がなくてさ、そしたらケーキが、
「今こそ能力の出番だよ!」
っていうから、ケーキのいうとおりにしたら右目に映る景色が突然変わったんだ。建物とかが透明になって、誰が何処にいるか分かるんだよ。これが俺の能力『捜索機』なんだけどな。
んで、見たら、路野江が首吊ろうとしててなんとかケーキに止めてもらって、俺は路野江から話をきくことにしたんだ。
―――まぁ、ひとまずこんな感じな。
「路野江先生にそんなことがあったのか……。」
「ウチ……知らんかったなぁ。」
そりゃそうだろう。知ってたら怖いわ。
話が一区切りして続きを語ろうとした時、保健室のドアがノックされた。鳥越がドアを開けると、そこに路野江が立っていた。
「私もまぜて、灯太。」
来られたからには仕方ない。
「……入れよ。」
俺は、傍聴者を1人増やして、また話を続けることにした。




