好きじゃない
6月16日の火曜日。
私は友人の谷之坂璃奈が知らない架謂条和仁と仲良くしだした。
璃奈が私を優先することが減り出して、不安が募ってきた。
架謂条のクラスの教室に彼女が脚を運び出して、モヤモヤとした気持ちが増大していく。
「璃奈ぁ、私は友達だよね?」
「うん、そうだよ!なんでそんなこと聞くの?」
「なんでって……」
言葉に詰まって言い淀む私。
「それでさぁ——」
彼女は笑顔で架謂条の話題を話していく。
私は谷之坂が距離を離していくように感じた。
中学生の時からの付き合いで、安心していたのに、唐突によく知らない架謂条という男子生徒に絡み始めた彼女のことが分からなくなっていた。
高校に入学して不安を抱いていて、まだ不安は消えていない。
彼女以外、友人と呼べるクラスメイトは居らず、彼女だけを頼りに生活している私だ。
彼女はクラスメイトに押し付けられて、図書委員になった。
架謂条も図書委員で、距離を詰めている。
私は彼女に架謂条と親しくして欲しくない。
私だけと居てほしい。私だけと仲良くしてほしい。私だけと話してほしい。私だけに笑顔を見せてほしい。
夏休みも終わり、9月を迎えてもまだ架謂条とは親しくしていた彼女。高校に入って初めての文化祭。
彼女と約束を交わしたが、架謂条と回るからと約束を断られた。
私は仕方なく、一人で文化祭を見て回った一日があった。
私は架謂条和仁という男子生徒を観察しだした。
10月に入って間もなくして、蒸蒼院蜜璃が架謂条に接触しだして、親しげに接しだした。
架謂条は蒸蒼院先輩と親しくなっていった。
谷之坂が親しくしているのに、蒸蒼院先輩と親しくしだすなんてなんて奴だ。
月日が経ち、2年生に進級して、私は谷之坂と同じクラスになれて、一安心したが、彼女は架謂条と変わらず親しくしている。二人は親密度を上げ、カズと璃奈と呼び合うようになっていた。
私は架謂条のことが嫌いだった。
谷之坂が私を優先することが極端に減り、モヤモヤとした気持ちが肥大していった。
架謂条は蒸蒼院先輩の他にも好意を寄せられている後輩も現れた。
私は谷之坂が離れていき、一人の時間が増え、ひとりぼっちだと言うのに……架謂条は私よりも多くの異性から親しくされている。
私はいつからか今まで抱かなかった感情を持つようになった。
架謂条が死ねばいいのに……と。
それと同時に自身の醜さを自覚してしまった。
谷之坂に笑顔を見せていると、なんで私は演技なんてしているんだろうと思い出す。




