蒸蒼院の考えはわからない
6月24日の金曜日。
俺が登校しようと自宅から出ると、門扉のそばに佇む蒸蒼院の姿を視界に捉えた。
「蒸蒼院さん!?なんで自宅前に?」
「和仁くぅ〜ん、昨日みたいに踏まれたいのかしら?」
「いえ、そんなことは!!すみません!!」
蒸蒼院が歩き出し、俺は恐る恐る彼女の隣を歩く。
「愚痴を垂れながらも私に踏まれたのは好ましいわ。麗しい私のショーツを見せてあげるわ」
「無理に見せてもらわなくても良いですよ」
「私が履いてるショーツに価値がないとでも言いたいのかしら?」
「そういう意味じゃないです。じゃあ見せてください」
「和仁くんのえっちぃ」
「どう返しゃ良いんですか!?」
「学校に着いたら見せてあげるから安心しなさい」
「どこが安心出来るんだか……」
彼女が俺の手を握ってきた。
「昨日はなんで裸足の脚で踏まれたんですか?」
「意味がないと踏んじゃいけないの?」
「意味がないのに踏みつけてくるのはおかしいですよ!!」
「そぉう……ごめんなさい」
「謝る意味が分からずに謝るのはやめてください」
「はぁー。どうしろっていうの?」
彼女のこういうところが残念なところだ。
高校の敷地内に到着して、昇降口を抜け、下駄箱でスリッパに履き替える俺たち。
二人並んで廊下を歩く。
既に登校している生徒らとすれ違う。
「蒸蒼院先輩だぁ……今日も可愛い」
「蒸蒼院先輩……綺麗だやっぱ」
男子生徒は蒸蒼院に惹かれぱなしだ。
俺は教室に脚を踏み入れ、通学鞄を自身の席に置いて、彼女が待つ廊下に出た。
「女バスの更衣室に行きましょ」
俺は彼女に耳打ちをされた。
俺と彼女は体育館に向かった。
俺は彼女に女子バスケ部の更衣室に突き飛ばされ、入った。
「和仁くん、そのベンチに寝そべって」
俺は彼女に促されるままカラフルなベンチに横たわった。
彼女は俺が横たわるベンチを跨いで、顔の上に彼女の太腿と水色のショーツがある。
俺は彼女にショーツを顔に押し付けられ、呼吸がしづらい。
「興奮するかしら、和仁くん?私のショーツはいい匂いでしょ?」
ズボンのポケットからスマホのSNSのアプリのメッセージが届いた音が鳴った。
俺はスカート越しに彼女の太腿を叩いた。
彼女は身体を上げ、俺は呼吸がしやすくなった。
『カズ〜今どこ?』
谷之坂からのメッセージを見て、ベンチに横たわったまま谷之坂に返信を打つ。
『すぐ戻る』
俺は返信を送信して、彼女に戻りたいことを伝える。
「谷之坂からだ。どいてくれないか?」
「あぁあの目障りな猫ね。まあいいっか」
俺と蒸蒼院は別れた。
教室に戻ると谷之坂が待ち侘びたような顔をして、文句を言ってきた。




