訪問者
6月25日の土曜日。
俺は惰眠を貪ろうとしたが、7時前に起きてしまって二度寝が出来ないほど覚醒してしまった。
母親は出かけているらしい。
朝食を摂り、テレビをつけるも面白いものが無く、テレビを消した。
「あれ〜和仁。何処かに出掛けないの?」
「そんな予定は無い。姉貴こそ何処にも行かねぇの?」
「買い物に行くのよ。ハニーちゃんは来ないの?」
「蒸蒼院先輩くるの!?」
「私が知るわけないじゃない!!」
姉が軽く腹を殴ってきた。
「痛てぇよ!」
俺は反撃しようとしたが躱されてしまった。
姉が朝食を摂り、9時過ぎに出かけていった。
俺は自室にこもって、文庫本を読み進めた。
10時過ぎにインターフォンが鳴り出した。
急いで出ると、蒸蒼院が佇んでいた。
「やっぱ来たんだ……」
「何よ。その反応は?」
「何でも無いです」
「お姉様はいるかな?」
「出掛けてますよ」
「そう。良かった」
蒸蒼院が上がった。
「何が飲みたいですか?」
「お茶で構わないわ」
俺はお茶をグラスに注いで、彼女に出した。
彼女はグラスを持って、傾けて、二口飲んで、ダイニングテーブルにグラスを置いた。
「セックスしましょ、和仁くん」
「ぶほぉっ……何いきなり言ってんですか!?」
「2人だけなんだから良いじゃない」
「良くないですよ。せっ責任なんて取れませんし」
「セックスが出来ないとなると……また踏まれたいのかしら?」
「もう踏まれたくないですよ!!」
「私と何がしたいの、和仁くん?」
「別に何もしたくないですけど……」
彼女は背筋を伸ばして、瞬きを繰り返し、顎を撫でて唸った。
「うぅ〜んっ……2人で買い物に行こうかしら?」
「何処にですか?」
「無難にショッピングモールなんてどう?」
「谷之坂に出会うかもしれませんけど」
「それもそうね。休日に会いたくないわ」
俺と彼女で対戦ゲームをプレイすることになった。
12時過ぎまで対戦ゲームで勝負をしていた。休憩を挟んで、カップ麺で昼食を摂った。
15時過ぎまで俺の部屋で寛いでいたが暇になったらしく大人しく帰宅した蒸蒼院だった。
18時過ぎに姉が帰宅した。
「早いじゃねぇか、姉貴。もっと出掛けてても——」
「うっさい、和仁!!ハニーちゃん来てたの?」
「あぁ〜来たよ。なんか伝言でもあんのか?」
「特に無いけど〜。疲れた〜」
姉がソファーに寝そべる。
俺は自室に戻って漫画を読み出した。
20時前に母親に夕飯だと呼ばれ、リビングに降りていった。
「和仁、ハニーちゃんからセックスしろって言われなかった?」
「ぶほぉっ……げほげほ、何で姉貴がそれを?」
「あっそう。」
姉からそれ以上は何も言ってこず、悩まされた俺だった。




