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夢を語る桃源郷  作者: 四太郎
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君の名は

 マギ主任

「話を戻すが、依頼主と話をせねばならない。武器の先端についてだ」

 この武器はカランビットナイフとう南の大陸で生まれた柄物だ。

 加工しやすい赤鉄鋼から生まれた武器で鋼の反りが効いている。

 赤鉄鋼には魔導に弱いという大きな欠点がある。

 去年の晩秋に鉄の国から持ち帰った黒鉄鋼と錬金し鍛え、魔弾を跳ね返せる所まで強度を上げると、先端の反りが出ない。

 

選択肢として

 先端を赤鉄鋼で加工して斬撃に必要な反りを出し、絶対に魔弾を当てない。

 もしくは、先端の反りを甘くし途中の反りを強くし刃渡りを出す。どうしても刀身が長くなり、懐に収めにくい。

「じっくりやれば理想の柄物になるかもしれないが、時間がないと伝えてくれ。子豚君が依頼主だろう?」


「わかりました、主任。会議の場所は蜜蝋ギルドの奥のブースで如何でしょうか? 候補日はメモに書いて私に渡して下さい、時間は城門閉鎖以降でお願いします」


「メモは要らぬ、場所はここで一両日だ」


 ギュッタは了承し、控室を出て仕事に打ち込んだ。


 昼休みにギュッタは、施設敷地の木に登り飛竜のハナを探した。

 こちらの姿を見つけ飛来してくれたハナに、自分が書いた短い手紙を渡し、ファイアに急いで届けるように伝えると、ハナは頷き手紙を咥え飛び去った。


 実験の難易度は、昨日より今日、午前中よりも午後と上がっていく。

 ギュッタもヨナも腕を上げているが、実験器具『付け焼き刃』 の反りが強くなり、鋼部分に当てるのが一苦労だ。

 ヨナが鋼できっちり魔弾を跳ね返しても、鋼その物が火を吹くこともあり、2人とも消耗が激しかった。


 マギ主任が2人に声を掛ける

「頑張りたまえ、これが最後だ」

 マギ主任がヨナに手渡した『付け焼き刃』 は殆ど半円に近かった。

 ギュッタとヨナは、呼吸を整え精神を集中させた。


 ギュッタ

「ファイア!」

 ヨナ

「えい!!」


 一発で成功し、全てのサンプル実験が終了した。

 2人は周りのスタッフから拍手をもらった。

 時は既に夕暮れ、クラノス軍の調練も終了したようで静かになっていた。


 マギ主任

「諸君、ご苦労であった。本日をもってサンプル実験は終了する。」

 マギ主任は、スタッフに今後の予定を説明した。

 ヨナには、次の指示を受けるまでクラノス軍駐屯基地、及びプエリト領の憲兵隊との合同練習を続行するように言い渡した。


「ギュッタ、君は仕事が早いね。クエストを延長したいがどうだね」


「主任。喜んでお受け致します、ありがとうございます! 勤務場所はどうなるのでようか? この実験棟は後片付けが終われば引き払うのですよね」


「その通り、ステファノ商会プエリト支部だ。詳細は後で話そうギュッタは少し残ってくれ、諸君お疲れ様だ。今日はここまで」


 スタッフが引き上げた後、マギ主任がギュッタに話しかけた。

「ギュッタ、君がグルージヤに旅立つまでは私の秘書を務めて欲しい。君の仕事の正確さ、速さは素晴らしいものがある。」

 マギ主任がそう言いながら後ろを指さす先に、ライトグレーでフード付きの長いマントをすっぽり被った赤く目が光る男が立っていた。


 ギュッタ

「…何と呼べばいいのかな。どうやって入って来たのですか?」


「6年ぶりに自分の身分証明書…試してみたよ〜」


 ファイアはマギ主任に向かって挨拶をした。

「依頼主、グレン・カーンだ。どこで話そうか?」

「ステファノ商会・武器調達部主任のマギ・トゥールと申します。カーン様、実験棟の控室が今暫く使えます。ギュッタ、お客人を控室にお連れしなさい」


 ギュッタはグレン・カーンことファイアを控室に案内し、ファイアとマギ主任のお茶の用意をした。

 マギ主任が道具箱を抱えて入室し、ギュッタに自分のお茶も用意してファイアの横にかける様指示した。

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