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最後のハイエルフは甘いものがお好き  作者: ほむら


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閑話 アストリア王国 王弟




分かり易いとは思いますがアストリア王国の王族関連はアーサー王伝説を元ネタにしながら形を色々と変えて名前をお借りしております。

本物のお話とリンクする所としない所も楽しんでいただければ幸いです♪

【氷王】と称されるアストリア王国現国王パーシヴァル。

氷魔法の優れた使い手であり、国民の前でも笑顔一つ見せず罪を犯せば血縁であっても容赦なく断罪する冷徹な国王である。

その一方で民衆に寄り添う様々な政策を打ち立て国民から愛され尊敬を集め人気も高い国王でもある。


そんな氷王の同腹の弟である王国騎士団総団長ラモラック。

彼は【英雄王】アーサーの生まれ変わりと云われる程の剣の腕を持つ優れた騎士である。

15歳の成人を迎えると同時に王位継承権を返上し【英雄王】の様に冒険者として活動したった2年間で飛竜の巣の駆除、変異体マンティコア討伐、辺境の未開の森で大型迷宮(ダンジョン)の発見など数々の武功と功績を残し、兄であるパーシヴァル王の即位と共に王国第一騎士団の副団長に任命された。

すると未開地開拓のための魔物掃討作戦で自ら先頭に立ちその実力を遺憾無く発揮して瞬く間に王国騎士団総団長の地位まで上り詰めた豪傑である。


確かな実力もあり国民人気も高い王弟ラモラックだが、国王へと推す声は殆ど聞かれない。

それは彼のキレやすく好戦的な性格と兄パーシヴァル王を敬愛している事。そしてパーシヴァルが【氷王】と呼ばれる切っ掛けとなった、伯父である大貴族が更なる権力を求めラモラックを国王にしようと画策した事件の後、知らぬ間に担ぎ上げられていたラモラックは生涯パーシヴァルに仕える事を女神に誓ったからだ。


元々仲の良い兄弟であったパーシヴァル王と王弟ラモラックはより絆が深まったのだ。




そんな兄大好き脳筋騎士団長ラモラックは午前中休みだったその日、かつて無い程の衝撃を二度も受けた。


戦闘以外では考える事を余り得意としないラモラックは朝の日課である高速素振り二千本を終えて聖剣チャレンジの為に王城門広場まで足を伸ばした。


190近い長身と細身ながら鍛え上げられた肉体、長く伸ばした金色の髪を無造作に後ろで束ね、意志の強そうな太い眉とやや吊り目の切れ長の眼、高い鼻筋で無精髭を生やしていても絵物語の王族らしく整った顔立ちのラモラックはとにかく目立つ。


もうすぐ30代に差し掛かるラモラックは未だ独身を貫いているため貴族令嬢や平民の女性からも寄せられる好意的な視線には馴れているが、あしらうのも面倒なので広場に余り人が居るようならばそのまま帰ろうとも考えていた。


王城の入口を護る騎士と適当に挨拶を交わしながら広場の様子を眺めるとそれ程人は多くない。

家族連れや男同志が多く貴族令嬢などは見当たらなかった。

聖剣を抜いてみようと並ぶ聖剣の見物客達もそんなに居ないので自分も並ぼうかと思ったその時。




ーーーラモラックは女神を見た。




聖剣がそそり立つ様に刺さる台座に上った小柄な美少女。

遠目でもスラリとした細身でありながら大きく主張する胸の膨らみとコルセットで絞った貴族令嬢達よりも括れた腰。

殆ど見せていないが白い陶器のような肌。

陽の光で輝く長い白金の髪は光の加減で白銀にも見えた。

そして何より大きな紺碧の瞳と小さめの鼻とふっくらとしたさくら色の唇が小さな顔に完璧なバランスで整えられていた。


ラモラックは心臓が跳ね上がる気がした。


周りから音が消え、景色が消えて、呼吸を忘れ、時を忘れ、ただ彼女を見ていた。

髪から見える尖った耳で彼女がエルフ族だと分かった。

聖剣に伸ばす両手は余りに細く心配になった。


聖剣は持ち上がらない。


選ばれた者以外が触れると聖剣からビリッと走る痛みに歪める顔も美しい。

彼女にそんな痛みを感じて欲しくない。

庇護欲にも似たそれはラモラックを踏み出させた。





それと同時に聖剣が引き抜かれその刀身が顕になった。





ラモラックの思考が身体が全てが停止した。


偉大なる祖先【英雄王】のみが扱う事が出来たと云う伝説の聖剣。

選ばれた者だけが引き抜く事が出来ると云う。

小さな頃から何百何千回と挑戦し続けビクともしなかった。

いつか選ばれるかもしれないと研鑽を重ね強敵を屠り戦い己を磨き続けた。

自分は選ばれた者では無いと分かっても憧れ続けた。


その聖剣が今ーーー

目の前でーーー

女神の如き美少女の手でその姿を現したーーー


「重いっ」

サクッ


美少女は聖剣を元に、いや元以上に深く台座に突き刺してしまった。

爽やかに汗を拭ってその場から立ち去ろうとする彼女に騎士や見物客が群がる。


目の前で衝撃の出来事が目まぐるしく起こった所為で思考が追い付かなくなったラモラックは、囲まれた美少女の目の色が怯えに染まった為に我に帰った。


「お、おいお前ら!」


駆け足で美少女を助けようとすると、彼女は精霊を呼び出し空高く跳んでそのまま立ち去ってしまった。


その場に残された騎士達も見物客達もラモラックも彼女が消えた空を呆然して眺める事しか出来なかった。



お読みいただきありがとうございます♪


リーシャと中々出会えないアーサーの子孫達のお話でした。


面白いと思っていただきましたらブクマ、評価よろしくお願いいたします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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