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最後のハイエルフは甘いものがお好き  作者: ほむら


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26 シェイド





あらすじ:聖剣抜いて注目浴びて逃げたリーシャは偶然訪れたオルソンとペロに癒された

落ち着いた様子のリーシャに声を掛けようとするオルソンだったが、どう言えば良いのか分からず言葉が出なかった。

リーシャから感じる魔力が乱れている様な気がしたのだ。

先日までまともに魔力を操れなかったオルソンとは違い、リーシャは魔力操作のスペシャリストだ。

誰も気付かなかったオルソンの魔力栓症に気付いて治してくれたり、そのケアまでしてくれた。

そんなリーシャの魔力の流れが乱れている事を疑問に思ったが、未熟な自分の気のせいかも知れないと言葉に出来ずに居た。


するとオルソンの肩にプシュケーが現れてリーシャを見て眉を顰めた。


『シェイド...』


無口な彼女が呟いた。

その声に反応したリーシャは、ハッとして顔を上げた。


「シェイド?」


リーシャはペロを膝から下ろして立ち上がった。


「シルフィ、ノーミード、サラ、ディーネ」


リーシャの呼び掛けた共に4人の美女が姿を現した。

風の上位精霊シルフィード。

大地の上位精霊ノーミード。

サラと呼ばれたのは炎の上位精霊サラマンドラ。

全身が赤い炎で象られた気の強そうな美女の姿をしている。

ディーネと呼ばれたのは水の上位精霊ウンディーネ。

こちらは全身が水ので象られたおっとりとした美女の姿をしていた。


『大丈夫?落ち着いた?リーシャちゃん』


眉根を下げて心配そうにリーシャに寄り添うシルフィ。


『...』


無言でリーシャの左腕に抱き着くノーミード。


『やっと呼んだかリーシャ』


ニヤリと好戦的な笑みを浮かべるサラ。


『リーシャ様わたくし寂しかったのです』


両手を胸の前で組んで涙を流すディーネ。



「よ、四大精霊にゃ...」


リーシャと契約した事によってペロは彼女が四大精霊と契約している事は分かっていたが実際に目の前で見れば圧巻である。

上位精霊の中でも四大元素の力を司る高位の精霊達なのだ。

気軽にシルフィを呼び出していたので多少慣れて居たが、こうして並んだ姿を見るとリーシャの力が飛び抜けている事を改めて実感した。




『とにかくリーシャちゃんから離れなさいよ』


シルフィが腰に手を当ててリーシャの後方を睨み付ける。


『あたしが消し炭にしてやるよ』


サラは両手を拡げるとその掌から火柱が上がる。




『気付カレタカ...』


リーシャの髪から真っ黒なフードで顔を隠した精霊が現れた。

その精霊の顔は何故か影で全く見えないが丸く光る2つの眼と三日月の様な形にして笑う口だけが見え、黒いフードと全身を覆うマントは影そのものの様に不気味に真っ黒だった。


その姿を見てリーシャは顔を両手で覆って溜息を吐いた。


「シェイド...お前のせいか」



悪びれもなくニヤニヤするシェイドと呼ばれた精霊に対して四大精霊達とプシュケーは噛み付かんとばかりに威圧している。

オルソンとペロは一体何が起こっているのか分からずオロオロと視線を彷徨わせる。


『リーシャ様に干渉するとは良い度胸しておりますわね。ぶち殺すわよ』


おっとりしたディーネも笑みを浮かべながらかなり怒っているようだ。




『マ、待テ!コレ以上何モスル気ハナイ!』


流石に四大精霊とプシュケーという五体の上位精霊からの圧力にシェイドは焦ってリーシャから離れた。

それでも五体はジリジリとシェイドを追い詰める。


「シェイド、とにかくまずわたしに掛けた術を解いてくれ。話はそれからだ」


リーシャがシェイドの首根っこを捕まえると、シェイドは直ぐに術を解いたらしくリーシャの乱れた魔力が元に戻った。


オルソンからもそれは分かったので、やはり思い違いでは無かった事とリーシャの魔力が安定した事に安堵した。

精霊達もリーシャの様子を見て少し落ち着いたがシェイドに対して睨みをきかせたままだった。


「ええっと...それでこれは一体?」


沈黙を破ってオルソンが状況の確認を求めた。

先程の甘えん坊だったリーシャの態度と何か関係があるのだろう。

一応巻き込まれた(良い思いはしたが)ので訊く権利はあるだろうと勇気を振り絞る。

リーシャに好意を抱いているオルソンとしてもリーシャに良くない事があったのなら確認したいと思ったのだ。勿論そんな事は言える筈も無いのだが。



「お前アーサーの魔力に紛れていたな」

『アタリ〜』

『当たり〜じゃねぇ!この野郎!』


あっけらかんとするシェイドにサラが食ってかかろうとするが、リーシャが制止した。


リーシャはオルソンに聖剣を引き抜いた事を説明会する。

聖剣を抜く事が出来ないのは封印されているためであり、その鍵は女神の加護と精霊の加護を持ったアーサーと同じ魔力を持った者が魔力を流すと封印が解け引き抜く事が出来る。

そこでリーシャは聖剣に遺されたアーサーの魔力の一部を抜き取り、そのまま流し込める事でその封印は解け引き抜く事が出来きた。

しかし、そこには女神が仕掛けた二重の罠が仕込まれていた。


聖剣はアーサーと同じ魂の持ち主でないとその力は発揮出来ないのだ。

リーシャが封印を解いたやり方は卓越した魔力操作の技術があれば誰でも(リーシャ以外は殆ど居ないだろうが)出来る。

そこで魔力を流すだけなら問題無い。

問題は一度アーサーの魔力を抜き取るという裏技の様なやり方に対して仕込まれていた罠が、聖剣から魔力を抜き取ると同時にシェイドが取り憑きその術を掛ける様に仕向けられていたのだ。


シェイドは闇の上位精霊である。

攻撃力はさほど持たないが、その恐ろしさは精神に干渉する力だ。

彼の最も得意とするのはマイナスな感情の増幅、特に恐怖心を植え付ける事に特化している。


そう、リーシャが騎士や見物客達に囲まれて恐怖心を抱いて逃げてしまったのはシェイドの術の影響だったのだ。


感情に干渉する術は自身では気付きにくい。


逃げる時呼び出されたシルフィが何も言わなかったのは恐怖に駆られたリーシャを必要以上にパニックを起こさないためだった。


ペロとオルソンのお陰でリーシャが落ち着いたところで、プシュケーの一言でシェイドの存在に気付けた。

四大精霊達を召喚したのは感情を司る精霊が厄介極まりない存在だからだ。

リーシャがまた恐怖心に捕らわれたとしても彼女達とシェイドとの攻撃力の差が牽制になると踏んだからだった。


実際シェイドは四大精霊の圧力に屈しているが、まだ余裕があるようにも見える。

シェイドが四大精霊に消滅される覚悟ならリーシャに恐怖心をとことんまで植え付け廃人にする事が可能だと云う事実がシェイドに余裕を持たせているのだろう。

リーシャを愛する四大精霊達にとってそれが一番の最悪であることが分かっているからだ。


『俺モ好キデヤッテル訳ジャナイ。モウ術ハ解イタカラ許シテクレ』


分かりやすいくらいにシュンと小さくなるシェイド。

四大精霊達はリーシャを害したシェイドを許すつもりは無さそうだったが、リーシャは嘆息して掴んでいた手を離した。


「わたしとした事がやられたよ。まさか精霊に術をかけられたのに気付けないなんて思いもしなかったよ」


『フフフ』

『何笑ってんのよ!』

『...』

『てめぇ!リーシャが許してもあたしは許してねぇぞ!』

『リーシャ様の心を乱すなんて死刑でも生温いですわ!』

『...』

『ヒィッ!』


四大精霊とプシュケーに詰め寄られるシェイドはリーシャの影の中に飛び込んだ。


「今回はわたしの注意が足りなかっただけだ。ありがとうみんな」


リーシャにそう言われて精霊達も渋々矛を下ろした。






「...っていうか聖剣抜いちゃったんですねリーシャさん。それってかなりヤバい気がします」


オルソンの呟きが部屋に響いた。

お読みいただきありがとうございます♪



面白いと思っていただきましたらブクマ、評価よろしくお願いいたします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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