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最後のハイエルフは甘いものがお好き  作者: ほむら


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24/54

23 シャルペロ

ちょっといつもより短めです。




あらすじ:マララガンと契約したイエレナは魔力が枯渇して気を失った

気を失ったイエレナを部屋のベッドまで運んで毛布を掛けたリーシャは、不安気なマララガンに声をかけた。


「無事契約出来たか」

『魔力が枯渇するまで頑張ってくれたからな。これからは俺がイエレナをいっぱい助けてやる。でも今は俺が居ると魔力の回復に支障が出るから一旦精霊界に帰るよ。イエレナの事頼めるか』


契約した精霊はその場に在るために契約主の魔力を吸収し続ける。

下位精霊であれば問題ないが上位精霊の必要とする魔力は桁が違う。

魔力を枯渇したイエレナの回復を遅らせる事になってしまう。

契約した精霊はいつでも精霊界から召喚出来るのでマララガンは精霊界に戻る事にしたのだ。


「ああ、わたしは出掛けなければいけないがケット・シーに任せるから安心していい」

「にゃ!また置いてけぼりにゃ?」


留守番とイエレナのお守りを言い付けられたケット・シーはリーシャに縋り付くようにして抱き着いた。


「済まないな、ケット・シー。その代わりと言ってはなんだが良かったらわたしと契約を結ばないか?そうすれば離れていてもわたしとお前は繋がっていられる」


偶然旅を共にした半精霊の猫だった。

精霊としては力も弱く、存在も精霊になりきれていない半端者と自らを認識しながらも持ち前の明るい性格と細やかな気遣いを見せるケット・シーはリーシャにとっては大切な友人となった。


リーシャと契約すれば精霊としての格も上がり、本当の精霊となれるだろう。

そんな恩返しのような気持ちもあったが何より友人として共に在りたいという気持ちは本物だった。


ケット・シーはポロポロと涙を零して頭を縦に尻尾を横にブンブンと振った。


「嬉しいにゃ!僕とずっと一緒に居てくれるにゃ!?」

「ああ、お前が良ければ」

「もちろんにゃ!」

「では名前を与えよう。元の名前が良いなら改めて名付けよう」


元々飼い猫だったケット・シーはかつての主人から貰った名前があった。

リーシャはその名前も一度だけ聴いた事があったが、その名を呼ぶ事はしなかった。

何故ならリーシャが呼んでしまえばその名前は()()()()()()()()()()となり、高位種族ハイエルフであるリーシャは力の弱い半精霊のケット・シーがリーシャの事を余程毛嫌いしていない限り意図せずも契約し従えてしまうからだった。

下位精霊からすればハイエルフと契約を望みこそすれ嫌がる精霊など居ない。

しかし今までリーシャは無闇に契約はしてこなかった。

それは兄から四大元素の上位精霊サラマンドラ、ウンディーネ、シルフィード、ノーミードと契約した後に、リーシャが望み精霊が望んだ時にだけ契約する様にと教えられていたからだった。


四大元素の上位精霊以外で初めてリーシャから契約を望んだのが半精霊に過ぎないケット・シーだった。


ケット・シーはリーシャの気遣いに感謝しながら首を横に振った。


「キールっていう名前はカティアに貰った大切な名前にゃ。でも僕は姉さん、リーシャ姉さんに精霊としての名前が欲しいにゃ」


リーシャはそう言い切るケット・シーに目を細めた。


「そうか。ではケット・シー、お前は今日からシャルペロ。古代エルフ語で親愛なるちいさきものという意味だ」

「シャルペロ」


ケット・シーがその名を受け入れた瞬間、リーシャの魔力がケット・シーに中へ溢れてきた。


「僕は...シャルペロにゃ!」

「ああ、シャルペロ。ペロと呼ぼう」

「ペロ...今日から僕はペロ。姉さんの事は(あるじ)と呼ばしてもらうにゃ!」


大きな瞳を潤ませて喜びのあまり身体を震わせるケット・シー、ペロを優しく胸へ抱き寄せるリーシャ。


『半精霊から精霊になったか』


マララガンは二人を生温かい目で見つめていた。








マララガンが精霊界へ消えた後、リーシャはペロと食堂で蜂蜜たっぷりベリーベリーホットケーキを堪能した。

プラウドにマララガンの事は言わず、疲労でイエレナが自分の部屋で眠っている為に昼食時には看病するペロに昼食を部屋まで運んで欲しいと頼んだ。


強面のプラウドが笑顔でそれを了承すると、看板娘のマリーをはじめ食堂に居た常連客達が目を丸くした。

基本しかめっ面のプラウドがこんなにも優しく笑顔を見せたのは愛妻のアリスティアが行方不明になってから初めてだったからだ。


リーシャはそんな食堂の空気を気にも止めずにペロにイエレナの事を頼んで【こぐまの蜂蜜亭】を後にした。





リーシャが今滞在しているアストリア王国王都アヴァロンは高い城壁で囲まれた人口100万人の大陸最大都市である。

綺麗な円を描く城壁の東西南北の門から街の中央に向かって4つの道が伸びている。

街の中央はまた城壁に囲まれた豪奢な家が建ち並ぶ貴族街となっており、そこからは中心に向かって丘になっていく。

その丘の上に白く高い城壁に囲まれた王城がある。


リーシャは貴族街の外にある1番背の高い建物の上に立ってそれを眺めていた。

実はリーシャが立っているのは創成の女神を主神とする神聖教の大教会の鐘楼の上だった。


突如として鐘楼の上に立つ美少女に気付いた神官や信徒は『女神の遣い』か『天使』かと地上では軽い騒ぎとなったがリーシャは気付くことは無かった。


リーシャはかつてアーサーの短剣に与えた精霊の加護の気配が中央の城から感じる事を確認して軽やかに宙へ飛び立つ。


地上からは悲鳴が上がる。

美少女が自殺を図ったのではと目を覆う者も多かった。


しかし多くの人が想像した最悪はいくら待っても訪れなかった。


彼女は風に乗って城のある方向の空へ消えていったのだった。



お読みいただきありがとうございます♪



面白いと思っていただけましたらブクマ、評価よろしくお願いします(〃・д・) -д-))ペコリン

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