490話 炎が燃える
10月19日、土曜日。ある日の学食サークルの交流会。
「交流会なんてやるんだ〜」
「というより、卒業試験の連絡も兼ねているのよ。私たちはグループで教えられたけど…」
「というか…13校の学食サークルの参加したい人が集まった感じね…さ、自己紹介しましょ」
という感じで会は緩く始まった。運営委員会からは飛翔、真音、吉乃、沙恵の4人が参加。そして13校の20人がも加わる。
「きらら大学の一ノ瀬由香です。今年は去年の酷評を受けて、新メンバーと助け合いました!今日は新メンバーの1人を紹介します!」
「新メンバーの谷古宇瀬奈と申します。以後お見知り置きを」
「…飛翔、久しぶり。宗高大学の平安咲夜…ほら、桜の下で出会った…」
「赤色の料理人…どうも。君たちに賞を取って欲しかった…それぐらい良かったんだけど…はぁ…」
「これも結果だ。そして、宗高からは私1人だ…じゃあ…って、やっぱり飛翔は有名人だったか」
「…俊徳大学の萱島しのん。私が言うのもおかしいのだけど…この前は本当にすみません…」
「…美景ちゃんも乙葉さんも学食サークルなんだっけ…」
「そうですね…私がちゃんと見張っていれば…」
「…君が部長じゃないでしょ。そこまで思い詰めたら心を壊して腕が落ちる…部長って来てるよね?」
「私のところは…来てます…」
しのんに部長を呼ばせると、すぐに来た。部長はどこか冷たい態度だった。
「何の用?私、関係ないでしょ」
「その後が聞きたいだけなんだ。乙葉さんと美景さん、彩華さんのも…」
「それ、私が話さなきゃいけないの?あの子たちは関係ない。ほっといて」
「…萱島さん、あの部長っていつもあんな感じ?」
「はい…すみません…」
「わかった。次は豊嶋大学の…ここはサークル全員で来てるね」
13校20人の内訳は、きららと俊徳が2人ずつ、豊嶋は6人、10校は1人ずつだった。
「この度は審査頂きありがとうございました。私は豊嶋大学学食サークル長の小倉律と申します。差し支えなければでよろしいのですが、飛翔さんは私たちの料理をどう評価しているのでしょうか?」
この問いには少し迷った。言葉選びや、相手がどう受け取るかによって、様々な問題が発生するからだ。
「豊嶋大学さんね…美味しいカレーだった。カレーコンテストなら高い評価だったと思う。しかし、ここは学食コンテストなんだよ…学食のカレーって学校の数だけ様々あるんだ…だからそれを評価するってのは難しい…次狙うのなら、独創性のある料理とかはどうかな?今回は初めてだったから安定を狙ったと思うけど、次は本気で狙いに行ってほしい。私たちの学食とは何かを」
その言葉を聞いた律の目には、静かな炎が揺らめいていた。これが、成長の瞬間なのだろうか。




