488話 波乱
騒動もあったが、今は関係ない。講評に移る。
「まずはスペシャル審査員のご紹介です!」
そのアカウント共に、3人が審査員としてアナウンスされた。
「と言うわけで、審査員長さん。全ての学校の総評をお願いします!」
「急に投げやりになったわね…まぁいいわ。まずは椋木大学のサンドイッチ。美味しかったわ。私はたまごサンドが好きなんだけど、ハムとチーズも悪くないわね。朝ごはんの学食としてはとてもいいんじゃないかな?」
「は、はい!」
「次に宗高大学、よくあの技術を…ここの技術が詰まった作品だったわ。上出来よ」
と、次々に学食を講評していた。中には酷評や改善点を読み上げるなどして、会場を盛り上げていった。
「最後に冬岡学院、君たちには何も言うことはない。私がこういう時って、失望じゃなくてとても素晴らしかったということなの。私としてはね…他の人はきっと違うとは思う。でも、私はこのまま突き進んでほしい。次も期待しているよ」
長々と褒めた千織、やはりこの学校に思うことはあったのだろうか。
「さぁ、ここからは賞の発表です!」
「まずは最優秀賞から…受賞したのは…」
緊張の瞬間、会場にいる全員の胸の鼓動が高鳴る。
「…花咲大学、唐揚げチャーハン定食!」
「えぇ!?」
会場は阿鼻叫喚の声で溢れた。無理もない、予想もできない選択だったからだ。
「ちょっと、審査員長…どういうことですか?」
「…これについての説明をさせてくれるかしら?」
「はい、どうぞ」
「…審査員特別賞と勘違いしてない?」
「…少々確認しますね…」
確認の後、この結果は間違い…ではなく正式なものだと判明した。これを聞いた途端、千織は膝から崩れ落ちた。
「副審査員長、こちらに」
「はい。あ、この結果ですね…私は間違いありませんしこの結果も正しいです…ここで審査員は誰に最優秀賞と審査員特別賞を入れたか…確認しましょうか」
その結果、見事にバラバラだった。しかも、スペシャル審査員の票も判明した。
「…と、いうことです。千織さん、あなたが絶望してどうするのですか?」
「嘘よ…嘘よ!嘘!信じられない!」
「審査員長…結果を受け入れましょう!」
「…まぁいいわ…」
そして、審査員特別賞とスペシャル賞も発表された。授賞式も終わり、審査員だけで話すことになった。
「…ありえないわ!絶対おかしいでしょ!」
「審査員…いや、千織さん。どうして認められないのですか?」
「確かに唐揚げは美味しかった。チャーハンもしっとり系で唐揚げとよくあっていた。それは認める…けどこれが!?ありえない!」
「千織さんは冬岡学院の鯖の味噌煮定食を選んでました。僕も気持ちはわかります」
「飛翔と涼と陽菜と悠一はいいの…スペシャル審査員がほとんど決めてるようなものじゃない!」
たしかにスペシャル審査員の票は全員唐揚げチャーハンに入っていた。




