↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
81/100

472話 静かな海


「今日は8月の13日か…お盆だね…でも、何もないね。お祭りも無ければお迎えすべきご先祖もいない…」

「そうだな…はぁ、久しいな」


栗本へ向かうバスの中、飛翔とクレアは談笑している。久しぶりにお墓に向かおうかと思ったが、クレアは止めた。飛翔の分の墓参りは結花と夜晴に任せたそうだ。そして、2人は定食屋に行った。


「今日は会って欲しい人がいるんだ…」

「しぐれさん?それとも撫子さん?」

「違う…今日は私の過去を知って欲しいわけじゃないんだ…」


クレアが席を立ち、誰かを呼ぶ。すると、あの時の少女に再会した。その少女の瞳は、変わらないぐらい澄んでいた。


「飛翔、この子に見覚えはあるだろうか?」

「…新保でお世話になったね。海荷ちゃん」

「よかったな、君が探していた人だ」

「そうだったの…どうして声が聞こえないんだ?」

「…今回はその件で呼んだんだ。私は定食屋を開く傍らで人探しを頼まれてね…警察からも声がかかるぐらいには信頼されているんだけどな…この子の声が聞こえないのはどうしてだろうか…」

「…新保に行った方がいいかも。ここからなら1時間あれば行けるよ」


こうして3人は新保という港町に行った。


「…ごめんね~」

「海荷ちゃん、やっぱり…」

「飛翔の思った通りだったか…」

「…あはは。私の事だよね…実は思ってる通りなんだ…」

「やっぱり…場面緘黙症?」

「…その病気はちょっとわからないんだけど…この町を離れちゃうと…声が出せなくなっちゃって…」


自覚はしていないが、クレアと飛翔は確信していた。海荷は病気だと。


「その理由を説明しましょうか。二人はこの町初めて?」

「いや、何回か来たことがある」

「なら構わない。先に言うと…海荷も私も、学校に通ってるの」

「え…!?」

「正式には…私たち二人、秋に転学するんだ…施設長…あ、学長に認められてね…」

「施設だよね?精神障害者を集めるところの…」

「まぁ、そうね。私は春風なる…そう、クレアならわかるよね?」

「…春風ってあの一家の!?」

「飛翔は知らないよね…私、目の前で殺されちゃったの。それで私も少し傷ついてね…本当は…今でも怖いの。犯人は捕まったのにね」

「PTSDか…でも…克服できて…」

「克服なんてできないよ。気にしないようにしなければいいって先生が教えてくれたの。だから、もう元に戻らない。海荷は場面緘黙症って言ったじゃない?実は違うんだよ。本当は…」

「私、対人恐怖症なの。人と接するの…本当に怖いんだ。今は克服できたんだけど、本当はみんな怖かったんだ…」

「まぁ、クレアは前科者だけど悪い人じゃないからね」

「そういう飛翔も怒らせない方がいいらしいけどな」


こうして仲良くなった4人は、時間が許す限り話していた。そして…


「今日、花火大会だったね」

「綺麗だな。帰りは神楽阪まで直行するよ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。