471話 夕立
7月25日土曜日、飛翔は警察署にいた。とある人を保護するためだという命令を受けたからだ。その理由は…
「駿平、どうしたんだよ。直接話したいってさ…珍しいじゃないか」
「ね。珍しすぎて震えてるよ。でも、今日は仕事も兼ねているんだ…お前に会わせたい人がいる…」
「そうか、物好きもいるもんだな…男だろ?」
「それは…って言わせるなよぉ!警察なんだからさ!」
というくだりが七夕のパーティーのあとであったそうだ。そして、言われた日、言われた時間に迎えに行くと、珍しい人がいた。
「嘘…どうして!おい、どうして彼女がここに!」
「あぁ…ごめんな…彼女は…監禁しないといけない人なんだ」
「どうして…どうしてだよ!」
「…飛翔さん?ねぇ、どうして私がここにいるの?駿平さんも、教えて」
彼女は弱弱しい声でそう言った。拷問を受けた後だろうか、彼女の身体には傷跡が見えていた。
「そんな…ありえない!」
「飛翔、ごめん。俺は…脅されたんだ。役職という褒美につられて…彼女を捕まえた…」
「お願い…ほどいて…この縄を…ほどいてよ…」
「わかってる。今はバレない。服は俺のでごめんな…」
彼女を連れだして、警察署を出ると、さっきまで見えていた青空が急に曇っていた。
「夕立か」
「この近くに美味しい料理屋がある。そこへ避難しよう」
近くの料理屋は、本来なら行列の絶えない人気店で有名だが、飛翔は先に予約を入れていたそうだ。
「さぁ、ここに来ればバレないはずだ。君はどうして捕まったの?」
「…わかんない…わかんないんだよ!」
「俺もわからないんだ。ごめんな。ただ、彼女の能力か彼女の気質じゃないかな?」
「…そしたら捕まる前は何をしていたの?」
彼女は捕まる前、ある男に誘拐されていたという。しかし、誘拐した男が警察に捕まり彼女も保護されていた…はずだった。しかし、保護されていた彼女は留置所にいたそうだ。そこでは警察官が…彼女に対して地獄を味合わせたようだ。ここで書けないぐらいおぞましいことをしたと言っておこう。
「そうか。それは辛かったな。知っていると思うが、俺は日影駿平、こっちは友人の神崎飛翔だ」
「私は…友永夢莉…」
「夢莉か…待って?その名前って…」
「…駿平、どうしたんだ?」
「たぶんだけど…俺の元カノじゃないか…?」
「え!?」
「覚えてくれててよかった!」
「本当に!?」
「飛翔、驚きすぎ…でも、まさかここで再会するとは思わなかったよ」
「飛翔、ここからは二人にしてほしい…食べ終わってるから…」
「え…」
「大将、一人お勘定で!」
こうして強制的に追い出された飛翔。帰りに警察署の方を振り向くと、何かを捜している警察官が見えたそうだ。しかし、それを気にも留めずに帰路につく飛翔だった。




