470話 解雇
「解雇だな。申し訳ないけど」
「そうですか…でも、能力者協会が拾ってくれるんですよね?」
「…その話はなしにしましょう」
「葉子さん!?」
「あれ?飛翔さんじゃないですか。ここで一体何をされて?」
「葉子、飛翔は天使です」
「梨穂?そうなのね…まぁいいわ…今回の一件でよくわかりました。初音さん、残念ですが…」
どうやら、隆平が能力者協会に行くというのは本当だったようだ。数日前から噂は立っていたが、事実になりかけていた。実際、葉子も梨穂もどんな人でも受け入れる協会の設立者ということもあって慕う人も多い。そんな人たちでも断るのには理由もあるのだろう。
「いや、気にしないでくれ…とった私たちが悪いんだから」
「…せいだ…」
「どうしましたか?」
「飛翔のせいだ!お前が俺を嵌めたんだろ!お前が!俺を!壊したからなんだろ!」
「…なんでもかんでも他の人のせいにして、自分が悪いと一ミリも思わないとか…どうしようもないな」
「今回だってそうだ!俺は何もしてないのに!全部飛翔がやったんだ!」
「いい加減にして!」
「…この声って…誰?」
「こほん。我は天王寺愛瑠。八百万の神々を取りまとめている。隣は神の一人、鶉橋知花。この事件の一部始終を知っておる」
「…全部あんたがやったことでしょ!」
と言った瞬間に隆平の頬を叩く。睨みつける隆平に、知花は言葉を続ける。
「花さんも彩江さんもみんなお寝坊のあんたに注意しただけじゃない!それにあんたが逆ギレを起こして片っ端から見境なく殴ったんでしょう!」
「…証拠は?証拠がないなら言うな!」
「証拠は…」
「大丈夫、証拠はある。初音、飛翔はここにいたんだろう?」
「あぁ、結花と魅華子も証言できるはずだ。もっと言えば真音や雪、京子もさくらも言えるだろうな」
「…あぁ、そうですよ。僕がやりましたーさーせーんでしたー」
「…ありがとうございました。あとは警察署で話してください」
その瞬間、隆平は葉子が呼んだ警察に連れていかれた。
「…解雇だな」
「…そうだな。ところで…ここからどうしようか…」
「そういえばずっと気になっていたのですが…」
「なんでしょうか?」
「…卒業認定試験って何だったのでしょうか?」
「あれ…どうして?」
「あぁ!そういえばあったね!受けて合格したのにその年卒業できなかった!でも…あれはなんでなの?」
「…正しくは学位復活試験だね。合格率はそこそこだけど卒業までが楽になるから受験者は毎年意外と多かったんですよね~」
「今はそれも転生のための試験に統合されちゃったから…」
「そうだったのですね!」
「そしたらこの世界のいろいろな疑問に答えて行こうかな!」
この世界に対する疑問だらけの質問会は、夜が明けるまで断続的に繰り広げられたそうだ…




