448話 【緊急】
「5月21日木曜日の朝です…まずは衝撃的なニュースからお伝えします」
テレビのニュースで伝えられたのは、きらら大学の学食にまつわるニュースだった。なんと学食部が調理場で不衛生なことをしてしまったという。いわゆるバイトテロの類のニュースが流れていた。
「そんな…ありえない…あ、電話だ」
電話の主は手短に、集合場所と時間だけを伝えて切られた。名乗ることはなかった。
「電話ではみなみのに10時と聞いたんだけど…」
「お待たせ、待った?」
「…千織さん!?それに由依さんと望愛さんも…」
「話はあとよ。まりあとるるもあとで来るから今は急いで」
「もしかして…」
ついていった先は、きらら大学の会議場だった。向こうの学長と理事長が出迎えてくれた。
「この度は申し訳ありません…」
部長の謝罪で始まり、部長が事情説明と記者の質問に答えていた。僕たちは静かに聞き、記者会見の終わりを待った。
「みなさん…すみませんでした…」
「由香さん…」
「君は止めたの?それとも止めなかったの?」
「…その時…体調が悪くて学校を休んで…」
「…え!?」
「以前より体調不良で…学校に復帰したのが昨日なんです…そして登校したら急に理事長に呼ばれて…」
「…どうして会見の時、一人で責任をとろうとしたの?」
「…実は…双葉と啓介は…今謹慎中で…」
「…新入生も多かったでしょうに…その新入生がやったんだよね…」
「私は知らなかった…と言ってもいいのでしょうか…」
「初めて知ったのが理事長経由なら本当に知らなかったのでしょう…」
「由香、もう一人で抱え込むことはないよ。でも、学食コンテストは控えた方がいいかも…」
「そうですね…そうだ、私に教えてくれませんか?」
「何を教えてほしいの?」
「…心を動かす料理を…教えてください!」
「…熱意があるのは素晴らしいね。でも、僕は教えられない…教えるものではなくて、勝手に覚えていくものだから」
「どういうことですか?」
「あぁ…飛翔が言いたいのは…何を思って料理をしているのかということ、由香は食べる人の事を考えて料理したことはあるの?」
「…そうですね…今度、絶対認めさせますので!」
「その意気よ。頑張りなさい」
そして会議場を出てバスに乗ろうとした時だった。
「お前たちが学食界の重鎮?」
「え?この年増たちが?」
罵詈雑言は無視してバスに乗って駅に向かった。しかし、駅に到着するとさっきの人たちが先回りしていたようで、足を止めさせてまで罵詈雑言を浴びせてくる。
「逃げんなよ!」
「どうして学食の営業を止めた!」
「私たちのせいじゃない!」
「お腹が空いて死にそうなんだよ!」
「さっさと学食を作れよ!」
罵詈雑言の嵐に、千織が口を開く。
「それがほかの人に頼む態度なの?」




