445話 この物語のジャンルはコメディーらしい
「お待たせしました!」
「おかえり!入部希望者はどれくらいいるの!」
「…3人よ!」
遅刻したと思った彼女が、こんなに人を連れてくるなんて…まったく、何が起きるかわからない。
「初めまして…だね…」
「説明よろしく!」
「その前によ!私たちを入院扱いにしたわね!」
「いちおう作中でもそこそこ強いはずなんですけどね…」
「退院できたんだ…」
「そりゃ切り刻まれてないからね!」
「でも…涼音ちゃんがまだ意識を取り戻していないんですよね…」
地獄みたいな現実が唐突に流れたものの、和気藹々な雰囲気を消してはいけない。すぐに路線の修正に入った。
「あ、私は初代代表で設立者の倉田真音よ。隣にいるのは蟹江京子、私の大事な右腕よ」
「…こちら新入部員の文香と直子と真尋です。」
「なるほどね」
「それでこちらの4人も入部希望者ってこと?」
「いや、1人は新入部員で3人が連れてきた部員だね」
「どうも、新入部員の青水あくあです!」
「…この子の人を連れてくる才能は随一よ…遅刻癖さえなければだけど」
「そんな私遅刻してました!?」
「そうだよ!今日の朝も来なかったから直子ちゃんも文香ちゃんも困ってたんだよ!」
「…嘘…7時には起きてたのに…」
「あくあちゃん、それじゃあ遅い。遅すぎる」
「そうなの!?」
「僕たちは7時30分には既に来ていたよ」
「あくあちゃんはいつ来てるの?」
「8時30分…」
「8時30分にはもう提供しないといけないの。朝の営業がなくても準備をするためにはこの時間からじゃないと間に合わないの!」
「ところで朝の営業は…まだ由依さんたちはやっているのでしょうか?」
「あの人たちね…実は…」
色々なことがあって、彼女たちは来れなくなったらしい。いったい何が彼女をそうさせたのだろうか。
「まぁ、それで…この3人は入部希望者なの?」
「そうだよ…って!飛翔さんに真音さん…それに京子さんにさくらさんまで…雪さんもいたら大変な時に遅刻しましたね…」
「…気づくのが遅かったね。遅刻はよくないね」
「雪…いつからそこに!?」
「真音が自己紹介した少し後ぐらい。いやぁ、気づかれにくいって良いことだね」
「…とにかく3人は入る予定なの?」
「はい…」
「それなら、ちょっと料理経験を話してみてよ。自己紹介のついでにさ」
「私は由比ヶ浜沙穂と言います。みんなからは沙穂ちゃんとか、さほりんって呼ばれております。得意料理はビーフストロガノフです!」
「次ですね。僕は味噌涼真です。趣味は園芸で、得意料理は天ぷらです。特に野菜のてんぷらが得意なので、今度メニューに出してもいいですか!」
「最後は私なのね。私は湯之谷真帆なのです。好きな料理はハンバーグなのです。でも、得意料理は味噌汁なので、よろしくお願いなのです」
「…これでいいのよね?」
「間違いない。じゃあ、今日は遅いし帰ろう」
気が付けば、時計は18時を指していた。




