439話 亡き骸に想いを寄せて…(勝手に亡き者にしないで!?)
「お待ちしておりました。飛翔さん、それと…」
「海荷です。若狭さんの弟子の…」
「まぁいい…よろしく。私はこの新保漁港、そして市場の総括をしている者だ…あぁ、実はな…2人に頼みたいことがあるんだ」
漁港の総括…言わば、組合の組長だ。ここら辺を仕切っているのはこの人だ。この方直々にどんな用なのだろうか。
「…この人に見覚えはないだろうか?」
「…この人か…あるよ」
「あるんだ!」
「そうか…実は…こいつらの計画は動き始めてる。」
「どうせあれですか?はるかみたいな神様を倒して自分たちの世界にしちゃおう!的なやつじゃないの?…それは別の人に任せましょうよ…」
「…そこまで酷くはない!ただ…飛翔さんを潰そうとしているだけなので」
「…えぇ!?」
絶叫のあと、しばらくの静寂が舞い降りた。そして、静寂はたった一つの音、一つの朗報をもって終わることになった。
「…結花さんが…見つかりました!」
「見つかった!?と言うかあなた誰!?」
「…私の自己紹介は後です。場所をお伝えしますのでその場所に急いでください!」
伝えられた場所は、この近くの山の奥。そこに裸にされて捨てられたそうだ。
「…今すぐ行かねば。」
山まではそこまで遠くなかった。道は険しくなく、まるで誘われているかのように簡単な道だった。しかし、目の前に広がった現実はまるで簡単に過ごしてきた自分への罪みたいなものだった。
「…結花さん…どうして…」
「…飛翔さん…ですよね…?」
…山中で見つけたのは、醜く傷つけられた裸体と、遠くに見える汚らわしいもの。間違いなく残酷な現実がそこにあった。
「…ごめん…助けられなかった…」
「飛翔さんのせいじゃ…ありません…ただわたくしが…」
「あー…あたしはちょっと電話してくる」
「わかった。じゃあ、またあとで」
海荷はどこかに電話をかけ、飛翔たちの状況を伝えている。一方、久々の再会となった彼らは…
「…久しぶりでこの状況だと、何も話せないね」
「当たり前じゃないですか!…ところで、どうしてここがわかったのですか?」
「…私が見つけたからだ。」
「瑞穂さん!」
「まぁ、私が見つけて、案内は彼女にさせたんだがね。私には土地勘も伝える力もなくて」
「だから私が見つけた。おっと、電話してた彼女も戻ってきたみたいだからな。」
海荷が帰ってきた。他の漁師たちや警察なども彼女の案内の元、来る事ができた。そのあと、結花さんもやっと服を着ることができた。そして、各々事情聴取のために連れていかれた。解放された頃には日が昇り始めていた。しかし、問題は終わっていない。まだ、解決しなければいけない問題が残っているからだ。
「…僕の居場所って、どこにあるんだろう。」
ゴールデンウィークが近い今日この頃、そんな事を考えていた。




