429話 を…から始まるわけない注文
「お待たせしました~」
「そして遅れて申し訳ないです!」
「沙恵と心愛じゃない!それに…吉乃と波音もいらっしゃい。」
「ごめんなさい。駐車場が混んでまして…」
「今日は何かお祭りでも…」
「いいえ?実は駐車場が空いてなかったんです!」
急いで駐車場を確認する店主、そこで見た光景は信じられないものだった。無断駐車の車が駐車場を埋めてしまい、駐車をするどころか入ることすらできない状態だった。
「これはひどいわね~」
「…こうなった理由は…わかるのですか?」
「おそらくあの店の店長の連れでしょうね~」
「…どうでもいいけど、店主の語尾が緊張感をなくしている気がするのだけど…」
店主たちは隣の店に話を聞きに行った。新しくできたラーメン屋さんは、まだ仕込みが終わっていなかった。
「すみません~」
「どちらさまで?」
「隣のカフェの店主ですけど~」
「…あぁ、まだ営業時間外なのに来たということは…またあいつらか。ごめんな、駐車場を契約したのにな…」
「いえ、大将さんが謝ることでは…」
「君は…桜木さんちの…ということはあの相談ができるな。」
「どうかしましたか?」
「知り合いに味覚が素晴らしい人か感性が素晴らしい人か…神崎飛翔っていないか?」
「飛翔さんでしたら店で紅茶飲んでると思います。」
「あとでラーメンを持っていくから!伝えといて!」
こうして店主たちは再び自分の店に戻った。
「おかえり、マスター、葉子、梨穂。」
「…沙代里さん、味はどう?」
「きりっとした苦味とさわやかな香りがいいね。」
「口にあったならよかったわ~まぁ、合わないわけないんだけどね~」
「自信があるんですね。でも、コーヒーだけじゃなくて紅茶も美味しかったです。」
「そうだね。私たち無糖で飲んだんですけど、ちゃんと美味しかったですよ。」
「…ところで、あとから来たみなさんの注文をお聞きしたいのですけど。」
「私はアイスコーヒー、牛乳少なめ砂糖多めでお願いね。」
「私はココアで!」
「…ツッコまなくていいよね?」
「私は好みだと思うから~」
「まぁ、それで吉乃と波音は?」
「私はアイスティーで。レモンじゃなくてオレンジジュース入れてくれたらうれしいな。」
「私はクリームソーダ!メロンのやつで!」
「そんなに飲みたかったのかい。」
「あと、今人来たみたいだよ。」
「すみません、予約していた…」
「こっちだよ!」
「はーい。」
「享弘ときらりね。珍しいわ。」
「…あれ?今日は11時からじゃないの?」
「10時集合!どうしてみんな間違えているの!」
「心愛、落ち着いて。あったかいココアがあるよ~」
「ぷはぁー…でも、どうして時間が人によってさまざまなの?」
「私のせいかも。日付しか言ってないから集合時間がバラバラになってしまったのかもね。まぁ、気長に待ちましょう。」




