427話 ろすといんぱらだいす
「ここってそういう店じゃないんかい。」
てっきり大人の店だと思っていた飛翔。しかし、中にはそういう店とは全く関係ないお店だった。
「あ、飛翔さん。いらっしゃいませ。実は私たちの本拠地なんです。」
「…37人の卒業生…つまり何期にあたるんだ?」
「いちおう私たちは21期らしいです。飛翔さんたちが20季らしいですよ。」
「そうだったのか…ありがとうな、あずさ。」
「いえ…覚えててくれたのですね!そうだ、ここはちょっとしたカフェなのでゆっくりしてください。」
ここはカフェ「ジュネーブ」。と言ってもまだ正式な店名は決まっていない。しかし、どうしてこんな建物なんだろうか…
「ということは…みんなここにいるの?」
「いると思うじゃん?実は…私が店長だからだよ~」
「瑞穂じゃないか。もしかして21期のリーダー?」
「店長なだけだよ。澪会長が辞退しちゃってさ、私が好奇心で始めたってわけ。あ、元生徒会の役員は別の場所で働いてるからここで見れたらラッキーって感じだね。」
「…そういえば結花さんも同期でしたよね。」
「あずさ、落ち着け。週一で来るから。明日は来るよ。」
「おや、担当が明日だとは…ところで、どうしてこんな建物なんだよ!」
「これは私のせいじゃないね。」
「それじゃあ、誰がやったんだよ。」
「…ゆずね?栄子?」
「は…はい!姐さん!」
「…君たちだよね?建物の飾りつけを担当したの。」
「…姐さん?あ、ゆりねさん?」
「確かに怒り方似てるけど私じゃないよ。あれは瑞穂だよ。」
「しかも相当キレてます。」
「だいたい夜の店にするなって言ったやろ!」
「すみません!」
「これ、さっき頼んでたカフェモカ。熱いから気を付けてね。」
「ありがとう。」
ここのカフェオレは美味しかった。普通のカフェオレなのに、どうしてなのだろうか。
「ふふ、特に理由はないわ。ただそこに美味しいものがあるからよ。」
「あ、飛翔くん、こんばんわ。」
「俊ちゃん!それにサーシャも!」
「お久しぶりです!」
「いや、君たちを見ると…思い出すんだよね。学食。」
「え!?」
「…それなら行ってもいいんじゃないかな…4月28日のシフトは私となずなで変わるから。」
「ありがとうございます!」
「ところで、飛翔は明日からしばらく暇だそうね。」
「そうだね。特に何もない料理の日常が続くんだよ。」
「次の回はきっと飛翔たちの学食探検団…なんちゃって。」
「ゆりねさん…困るなぁ、そうやって簡単に予想されると。」
「まぁいいじゃない。それと、さっきのカフェモカにカルーア入れたことは静かにしておいてね。」
「…やっぱ酒じゃないか!」
「酒は飲んでも飲まれるなだぞ~」
「…なんか、懐かしいな。」
懐かしい気分を残して帰った。後日、外の派手な外装は落ち着いた色の優しい外観に戻ったという。




