425話 瑠璃色の…
「すみませ~ん、先ほど予約した東海椎奈です~」
「東海さんですわね…って、飛翔さん!?」
みんなの広場、人はそこまで来ないがサービスの質と客室だけはいいホテルだ。
「…僕の中学の同級生です。」
「わかりましたわ…」
「あ、お気になさらず~」
今日の夕食は真鯛の塩釜焼きとちらし寿司だった。お祝いだからというわけではなく、ただの支配人の気分だった。
「いただきます!」
「…あ、美味しい。」
「本当だね。ひーくんは毎日こんなご飯が食べられるのか…支配人さん、結婚してもいいですか!」
「…わたくしは飛翔さんだけのものなので結婚はできませんが…お気持ちは頂きますね。」
「それなら仕方がない。」
「ところで…お二方は飛翔さんの同級生でしたよね。」
「はい、あーしがしーちゃんこと椎奈で…」
「結婚しようとした方がみーちゃんこと宮子ちゃん。」
「久々に聞いたよ、私の下の名前。」
「もしかしてずっと…みーちゃんと言われてたの?」
「そうだよ。本名は夏秋宮子だったような気がする…」
「本名は忘れないでください!」
「そうだね。でもあってるんだよね。」
「まぁね。忘れてないから。」
「しーちゃんとみーちゃんは本当に仲がいいよね。」
「最初にあった時のエピソードってあるの?」
「あーしたちがあったのは生徒指導室だよね~」
「せんせーたちが私たちに黒染め強要して、化粧落としを載せられたんだっけね。」
「その時にゆきぽよが…」
こうして出会いと中学生活の武勇伝を話した。飛翔にとっては懐かしい物だったが、結花にとっては驚きだらけだった。
「中学を卒業してからひーくんとゆきぽんとは話さなくなったね。」
「あ、確かに。」
「それからあーしたちは専門学校に行って、美容師になったんだけど…売れなかったんだ。」
「あ、私はネイルアーティストね!?」
「でも売れずに気づいたらここに来た…というわけですわね。」
「その通り。」
「それで、これから住むところを探してるんだけど…どこかいい場所ってない?」
「でしたらすみかを見つけるまでここで住んでみませんか?それとも朱雀さんを呼びましょうか?」
「朱雀さんって誰?」
「ここらへんじゃ有名な不動産屋。」
「それなら明日の朝に呼んでください。」
「わかりましたわ。」
そして、夜が明けて朝ごはんのいい香りが漂うと、時計は8時を指していた。3月26日木曜日、不動産屋は10時に来た。
「東海さんと夏秋さんね…二人は同じ部屋が良いの?それとも別々だけど近い方がいいの?」
「それはお任せします。」
「そうしたら…中町のここでどうでしょうか?」
「駅から徒歩3分、家賃5万モイ…いいね。みーちゃんはどう?」
「いいと思う。私は決められないから。」
「わかったよ。じゃあ、ここでお願いします。いつから入居できますか?」
「…即日で行けるよ。」




