417話 無理のない料理対決
「…料理対決と行きたかったけど…」
「これじゃあ食べられませんね…」
確かにここでは料理対決が行われていた。真音も波音も驚いていた。飛翔たちも見ておらず、いったい誰が食べたのかわからなかった。
「私はルーローハンを作ったのに…」
「私は牛丼よ。」
「そんなこと言われたって…ないものはないじゃない!」
「あ、ごちそうさまです。」
「うーん。どうして?」
そこの陰にいたのは、予想もしなかった人物だった。
「どうして食べてるの?」
「…お腹空いてたんだ。ごめんなさい。」
「いや…あなたなら怒らないけど…どうして…」
その子は取り乱して泣いてしまったため、リビングで落ち着かせた。
「どうしてそんなことをしたの?」
「おいしそうなにおいがして…それで…」
「悲しい思いをさせちゃったね。彩華ちゃん。」
「もしかして知り合いなの!?」
「わたくしも知らなかったですわ…」
「ごめんね。彩華ちゃんは私の…転生前の同級生。」
「そうなんだ…真音と波音は知り合いだったんだ。私知らなかったよ。」
「明日海ちゃんの話は聞いたことあるんだけどね…初めましてだね。」
「彩華ちゃん…でも、この子なら許せちゃうのなんでだろう。」
「…飛翔さん、何をしてるのですか?」
「…この子が許される理由を調べてたんだ。そして、それが分かったんだよ。」
「どうしてなの?」
「…ねぇ、転校したことある?」
「…はい。」
「そうだよね。転校したんだよね…この子が許される理由はそこにあるんだよ。」
「どういうこと!?」
「…首筋に傷があるよ。自分でつけたの?」
「あ…それは…」
「飛翔…彩華ちゃんに失礼じゃない?」
「…言いたくないなら答えなくていいんだよ。だって、自分でつけたわけじゃないの知ってるから。」
彩華の首筋の傷の真相はこうだ。今は亡き竜門大学時代に首を斬りつけられたとのこと。治療は終わったが、今でもこの傷跡は残ったままだ。
「…そうだよね。飛翔ってそんな悪い人じゃないのよね。早とちりだったわ。ごめん。」
「…たぶん飛翔さん気にしてないですよ。」
「それならよかったわ…え!?強行突入!?」
テレビに映っていたのは誘拐現場に特殊部隊が強行突入する…まさにその瞬間だった。犯人は手慣れた舞台に囲まれて投降し、誘拐されていた被害者はいったん警察に保護された。それと同時に佐治木祐二は逮捕され、指名手配犯の一人が捕まった。この事件は、ある意味歴史の1ページとなった。
「無事に終わったわね~」
「そうだけど…ところで一つ質問してもいい?」
「どうぞ?」
「…次の天使会はいつなんだろう。」
「…3月19日、3日後ですわ。」
「ありがとう。今日は色々と疲れちゃった。少し寝るね。」
「…おやすみなさい。」
「さぁ、私たちも帰りましょう。」
「…そうだね。」




