412話 ぬ!?って驚くと声に出るよね…(ないない!)
3月11日、改装作業を翌日からに控えてホームセンターでの買い物が終わった後の話だ。
「飛翔さん…飛翔さん!」
「助けて…」
いったいどうしてこうなったのか。会計の時にまでさかのぼる。
「…結花さん、さっきから視線を感じるんだよ。」
「殺気立った視線でしたらわたくしも感じております。」
「…30000モイか。カードで。」
それから、飛翔はまた拉致された。携帯電話と財布も…おいていったまま。
「どうして飛翔さんだけこんな目に…こんな目に合わなくてはならないのですか!」
「…おい。飛翔を拉致していいのは僕たちだけじゃないのかよ!」
「その声…省吾さん、どうして飛翔を…」
「誤解だ。やってない!というか…あの会は解散したって言っただろ!」
「確かにそうでしたわね。すみません!」
「でもあの車に飛翔が乗せられたんだな…あの車は知らないのだよ。何せ黒のワゴンじゃないか。ヤクザならセダンだし、俺たちもそういう車だからな。ワゴンってことは俺に聞いてもわからないじゃないか。でも安心しろ。警察を呼ぶ。」
警察に事情聴取される結花と省吾、家に帰りベッドに入ると…悲しみと疲れが一気に押し寄せた。
「…飛翔が…またさらわれた…わたくしの目の前で…どうして…ごめんなさい…守れなくて…」
「いえ、大丈夫です。」
「あなたは…つむぎさん?」
「はい。今日はちょうど用事がありましたので…飛翔さんを拉致する…ですか。全く酷いです。でも、警察に任せましょう。きっと大きな事件になる予感です。」
「…例えば…もしかして指名手配犯の逮捕とかですか?」
「確かに飛翔さんは刑務所の生活の動画をよく見てましたが…指名手配犯って5人ですよね。しかも…ちょっと待って、あの人ならやるかもしれません!」
「佐治木祐二でしょ。あの人は恨んでるはずだから…」
「…ちょっと待ってください。誰でしょうか?」
「あぁ。十島華恋よ。飛翔の嫁。わからないの?」
「わかりませんね。飛翔さんいませんのに。」
「さっきから聞いてたんだけど…やっぱり誘拐か…まぁいい。今日はここに泊まるわ。どうしてもというなら手伝ってあげないこともないわ?」
「ありがとうございますわ。」
「つむぎ、飛翔が最後にいたホームセンターってわかる?」
「それは結花さんに聞いてください…あとホームセンターでしたか…知らなかったです。」
「そうだったのね…結花さん、どちらのホームセンターに行ってましたか?」
「浄水はやめたので上天駅までの道沿いにある…」
「あそこね。警察にも伝えてあるわよね…言っておくけど、私はやってないから。」
「前科者が何を言ってるんですか。」
「うるさいわね…!もう夜も遅いし…いったん休みましょう?大丈夫、飛翔ならきっと無事だから。」




