407話 ただ、そこに広がるのは
「佳奈子のやったこと…それは保険金殺人よ。」
笹島連続保険金殺人事件。場所にして夜見川と新保の間にある街で数年前事件が起きた。犯人は捕まえた。なのに…大規模な脱獄の数日前にこっそり逃げだした。指名手配にもできなかった。
「…でも、その子は撫子と言い争ってたよ。」
「…もう隠し通せないのに。その子って連絡取れるの?」
「葉子さん経由で聞いてみるね。」
葉子に電話した飛翔、すぐに連絡先を教えてくれた。電話すると、昔のことを教えてくれた。
「…クレアさんってあの冷酷な殺人鬼だよね。まぁ、それはそれとして…佳奈子の話が知りたいの?」
「昔言い合ってたのを思い出してね…」
「そう。あの時はごめんね。そして、私を思い出してくれてありがとう。そうだね…この話は長くなるから家に行くね。最寄りって神楽阪だよね。そこに行くよ。」
「わかった。」
神楽阪の駅の前、時計は午後3時を指す。撫子が改札前で手を振っていた。
「ごめんね。部屋の中についたね。それじゃあ話すよ。」
佳奈子と撫子は元々幼馴染だった。同郷に転生していたが、馬が合わなかったようだ。そんななか、佳奈子は殺しを楽しむようになっていた。そして…撫子は一番の友達と一番大切だった人を目の前で次々殺され…挙句その罪を着せられた。
「私も刑務所に入ってたんだよ。ね?クレアさん?一時同室だったんだよ?」
「覚えてるよ。あまりにも素直過ぎてびっくりしたけど…冤罪と聞いて悲しかった。」
「私ってそのあと生きるって何なのか考えちゃって…そのときね、ある子に出会ったの。」
「その子って…」
「…いつか会えると思うよ。その時までの秘密ってことで。」
「…そうだ。ここに来たことだし、何か食べて行かない?」
「そうだね。」
飛翔は軽食を作った。
「お待たせ。目玉焼きハンバーグ。ハンバーグの種は作り置きしてたから問題ないよ。」
「おぉ…!」
「…刑務所では食べられなかったからね。ゆっくり食べよう。」
一口入れた瞬間、肉のうまみと卵の黄身のまろやかさが口に広がった。
「ソースもさっぱりしていて…これを20分ほどで作れる飛翔ってすごいのかな…」
「すごいに決まってるじゃない。私…ここまではできないかな。ラーメンとチャーハンは負けないけど。」
「そうだね。あれは美味しいから。」
「飛翔も食べたことあるんだ?」
「梨穂さんと沙恵さんとかな…3人できたんだよ。」
「ということは…孤児の拷問事件…クレアの起こした悲しき事件の真相も知ってるね。」
「そうだよ。」
「…それなら昔のクレアも知ってるよね。」
「そこはしぐれちゃんやきあらちゃんとも…」
「そうなんだ…あの時のクレアちゃんはね…誰も信じてなかったみたいなの。悪いのはね…佳奈子の執拗ないじめだよ。」




