406話 それぐらい最低な
「3月2日月曜日のモーニングコールです。」
「今日の現場です。今日は刑務所の生活と刑務所の現状についてお伝えします。」
栗本にあるこの世界の刑務所。裁判で懲役刑が決まるとここに収監される。
「あぁ、今日はこの特集なのか。」
「そりゃ…今日で4年じゃないか。刑務所の脱走事件。」
「初音さん!どうしてここに!?」
「そりゃ一人だと寂しいだろ?」
「まぁね…」
「そして…人を呼んできた。」
「どうも、千草クレアよ。」
「クレアさん!」
「あぁ、彼女は先代を知ってるからね。」
「知ってるというか又聞きだけどね。あの天使長はすごい人だったよ。」
「そうですよね…」
「天使と悪魔の平定って…彼女のおかげじゃない。それなのに…どうして殺したのか聞いたの。」
「一人静…だよね。」
「そう。本名は忘れちゃったけど…でも、本当はあの人…殺したくなかったみたい。」
「そうなの!?」
「原省吾って天使を堕とす会の会長がいたじゃない。」
「まぁ…昔やられました…」
「あの子でさえ驚いていたからね。」
「そうか…」
「あ、私は別の場所に行ってくる。じゃあな。」
初音は外に消えていった。大広間にはクレアと飛翔の二人きりだった。
「まぁ…静ちゃんはあの脱獄事件で逃げたんだよ。まぁ、彼女の場合は同情されたけど。今、指名手配犯って5人いるでしょ?」
「船堀尚人、佐倉暢、大淀椋、佐治木祐二、そして一人静…」
「そうだ、逃げたやつらだな…って、佐治木祐二は違うけどね!?」
「確かに。でも…この人たちはあの夜逃げ出したのでしょう?」
「いや…氷山の一角に過ぎないね。まだまだ多いよ。というか…あの有名な懲役囚もいないじゃない。」
「…もしかして…栗本3大凶悪犯の話ですか?」
「栗本刑務所…ね。他にも刑務所はあるから…でも、合ってる。“笑顔のペテン師”布佐きあら、“冷酷な殺人鬼”の千草クレア…まぁ、ここの二人は会ったことあるよね。」
「はい。とても優しかったです。」
「ありがとう。これも葉子や梨穂が月1で差し入れしてくれたからだけど。でも、3大って言ってるのにどうして一人いないんだろうね。しかも…一番最低な犯罪者が。」
「…僕の兄ですか?」
「それと比べたら負けだよ…いや、比べるまでもなくあいつと互角だ。」
「そのレベルですか…」
「だって…君の兄…怜か。怜が刑務官にあいつへの扱いについて相談してたからね。彼の中ではめったにないことでしょ?」
「まぁそうだけど。」
「…彼が言ったことは覚えてるよ。彼の意見を借りるならあの囚人は俺の数倍は鬼畜で、俺なんかよりも最悪…だってさ。さすがの刑務官も言葉を失ったみたいだよ…」
「そんなにか…そいつが今も街を歩いているのか…」
「そうだ、それが…“悪魔の忌み子”…西佳奈子だよ。」
「撫子って子が憎んでいたな…」
「無理もないよ。」




