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第6話 「女の世界は色々ある」

ムギュムギュ


(ん…んん…)


ムギュムギュ


(い、息が…)


ムギュムギュ


(し、死ぬ…!!)


「ぷはっ!く、苦しい。ついに魔王の魔の手が来やがっt…って、シルヴィアのおっぱいかよ!!

俺を抱き枕扱いしやがって。ったく…」


(まぁ、息ができる状態なら天国だな)


「ん、んん…あ、アルス様おはようございますですわ。

うふふふ。わたくし、ついにアルス様と…。

アルス様?わたくしの方がミラより気持ちよかったですの?

ミラより気持ちよかったですわよね?」


(シルヴィアのやつ急にどうした…?

普段こんなにも競おうとするやつじゃないのに。

だがシルヴィアのやつ、少し様子が変だ。

ここは無難に答えておくか)


「あぁ。お前の方が気持ちよかったよ」


「そう…。そうですの…。うふふふ。

アルスさま〜」ムギューッ


俺は布団の中でシルヴィアに抱きしめられて、身動きが取れなくなった。


(く、苦しい…)


「ど、どうしたんだよシルヴィア?

お前少し様子が変だぞ?」


「変、ですの?

…確かに今のわたくしは変かもしれませんわ。

だって、幸せすぎて今自分がおかしい自覚がありますもの…」


(まさか様子がおかしかったのは幸せすぎてってことか!?

でもさっきのシルヴィアの様子は幸せすぎてってよりはミラに対抗心を抱いてって感じだったけどな…。

まぁ一つだけ言えるのは、2人とも同じくらい気持ちよかったってことだよな、うん。

俺ってば、相変わらずのクズ野郎だぜ)


「シルヴィア…俺も、俺も幸せだぜ!」


(2人とも気持ちよかったとかいうゲスい思考をしていたから幸せそうにしているシルヴィアになんて返したらいいか分からず、同調しかできなかった。

ここで心までイケメンのやつはかっこいいことの一つや二つ言うんだろうが、あいにくと俺はクズ野郎だからな。

だが俺は今の自分を結構気に入っている。

クズも極めれば何かになるはずさ、多分!)


と自分に酔っていると、


ガチャッ


(ん…?)


「シルヴィアねぇさま?ここにお兄さまが来なかった?」


(エレナか…?なんでここに?

そういえばここ最近はミラとばっかり寝てたからあいつらとあんまり寝れてないな…)


「残念ながらここにアルス様はいませんわ」


(シルヴィア、なんで嘘を…?

…まぁいいか。ここで俺が出てもなんで最近一緒に寝てくれないの!ってエレナに問い詰められるだけだしな。

それにこのおっぱい。気持ち良すぎて何もかもどうでもよくなっちまう…)


「そうなの…。最近お兄さまが私たちと一緒に寝てくれないから寂しいの…」


(やっぱりそういうことだよな)


「エレナ。あなたまだ兄離れできてないですの?あなたも王族なんですから、6年後には結婚しなければいけないかもしれないですのよ?」


「むぅ。いいの!私お兄さまと結婚するもん!

誕生日パーティーで出会った男の子なんて、お兄さまと比べると天と地ほどの差があったの!」


「エレナあなた…アルス様と結婚するだなんて嫁のわたくしたちに喧嘩を売ってるのかしら?

アルス様だって、あなたのこと妹としてしか見てないはずですの」


(悪いシルヴィア。エレナと血が繋がってるのは確かだが、転生したせいか普通に可愛い美少女にしか見えないんだよ)


「妹としてしか見られてない…?それは、いけないことなの?」


「…それが分からないうちはまだまだですわ。あなた頭はいいんですから、もう少しよく考えなさいな」


「…分かったの。よく考えてみるの。

でも、私絶対お兄さまと結婚するの!!」バタバタガチャ


「アルス様ごめんなさい。あなた様の妹に少しキツく言いすぎましたわ。

でも許してくださいですの。これが、女の世界なのですわ」


「いやいや、ああいう風に考えさせるのは良いことだ。

俺はあいつらが最終的に納得して出した結論なら文句は言わないつもりさ」


「それは…あの子達も嫁にするかもしれない。ということですの?」


「…そう、かもな」


「…分かりましたわ。わたくしはどのようなアルス様でも愛すと決めましたの。

アルス様がそう決断するなら文句は言わないですわ」


「シルヴィア…お前は良い女だよ。

本当に愛してる」


「うふふふ。わたくし、その言葉だけで今にも昇天しそうですわ…。

あなた様になら都合のいい女でいいですの…」


(実は少しだけシルヴィアは都合がいい女とか思ってたんだが、まさかの自覚ありだったのかよ!

まぁ本人が良いって言ってるんだし、良いよな!!)


「シルヴィア、とりあえず飯食いに行こうぜ」


「そうですわね」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜朝食中〜


朝食に遅れた俺とシルヴィアはそばにミラが控えてはいるが、2人で飯を食っていた。


「今日もミラの飯はうまいなぁ。もぐもぐ」


「ありがとうございます。

…ところでアルス様?シルヴィア様と何かありましたよね?」


(聞いてくるんじゃなくて断定しやがったよ、ミラのやつ!)


「はははは、なんのことだ?」


「誤魔化さなくて結構です。アルス様とシルヴィア様との間に流れる空気が昨日とは全く違いますので…」


「アルス様、隠す必要はないですわ。

むしろちゃんと言うべきですの」


(そうか、こういう場合は隠すのは逆効果なのか…?

つい前世の浮気がバレた男みたいな反応しちまった)


「ミラ。わたくしはアルス様に抱いてもらいましたわ」


「そうですか…。ついにシルヴィア様もアルス様と…」


「あなたが気持ちいいと言っていた意味がよく分かりましたの…。

ふわふわして幸せな気分になりましたわ」


(食事中に結構ディープな話するなぁ…)


「そ、そうですよね!あの気持ち良さを知ったらもう前の私に戻れません…」


(思ったより仲良いなぁ、こいつら。

もう心配しなくてもいいのかもな)


「そ、そこまでですの?…ごくっ。あの、ミラ?3人でやってみませんかしら?」


「3人で、ですか?」


「はいですの!はるか昔、王族の殿方が妻たちの仲を深めるために3人でするという方法を考えついたらしいですわ!」


「仲を深めるため、ですか…。そうですね、やってみましょう!アルス様、今夜も空けといてくださいね!」


「え?それは別にいいが…ミラお前、そんなに積極的だったか?」


「そ、そんなに積極的なわけではありません!断じてハマってしまったわけではありませんからね!」


(もうハマってるって言ったようなもんじゃねぇか…。

そうか…ミラはむっつりスケべだったんだな)


「ふーん。嘘をつくのか。じゃあ今夜はお預けだな。セリカたちとも寝てやらねぇとあいつら機嫌損ねるからな」


「そ、そんな…言います!正直に言いますから!

そ、その…き、気持ちいいんです!気持ち良すぎるんです!」


(今度はまたずいぶんと正直にぶちまけたなぁ…)


「そうか、気持ちいいのか。なら今回はお前の正直さに免じてお預けは勘弁してやるよ。

そして次からはおねだりしてこい。

そしたら相手してやるよ」


「分かりましたごしゅじ…アルス様…」


「アルス様とミラは普段どんなプレイをしてますの…?」


「秘密だ。いや、でもそうだな…今夜3人でするときに教えてやるよ」


「わ、分かりましたわ!わたくし、どんなプレイでも受け入れてみせます!」


「いい心意気だぜ、シルヴィア。

それでこそ俺の女だ」


「そんな、もったいないお言葉ですわ。アルス様…//」


(傲慢モードのアルス様、やっぱり素敵ですわ//)


「…ところでアルス様?話は変わりますが、ローゼの件です」


「あ、そうだ!どうだったんだよ?あいつの人となりを見て」


「…正直、客観的に見れば性格や言動に全く問題はありませんでした」


「そうか!それで?客観的にって言うくらいだ、主観的に見たらどうだったんだ?」


「とても、とてつもなく不本意ですが、合格です。アルス様の従者として認めます。

本当の本当に不本意ですが!!」


「どんだけ不本意なんだよ、はははは。

ま、とにかく合格なんだな?

ローゼは今どこに?」


「おそらくセバスチャンに色々教わっていると思います」


「なるほど、セバスチャンにか。

後半年の間にもっと成長しそうだな」


「アルス様嬉しそうですね…?

そもそもあの女とはどこで知り合ったのですか!」


「あいつとは貧民街で出会ったんだよ」


「貧民街…?」


「あぁ。俺が初めてお忍びに行ったとき道を間違えて貧民街に行っちまってな。

そこでたまたま店から追い出されるローゼを見かけてほっとけなかったんだ。

そこからだな。あいつと関わり出したのは」


「そんなことが…。アルス様それ、男なら助けてませんでしたよね??」


「えっ、いやー、それはどうだかなー。多分助けてたぜ?多分」


「もう助けないのが目に見えて分かります。何年一緒にいると思ってるんですか?アルス様のことならほとんどお見通しですよ?」


「はは、ミラには敵わねぇな。

プレイ中はドMなくせに」


「う、うるさいです!

今はそんなこと関係ありません!」


「はははは」


(むぅ。やはりこの2人はとても仲が良いですわね…。

やっぱりミラが1番…。

いえ、弱気になってはいけませんわシルヴィア!

アルス様はわたくしの方が良いとおっしゃってくださいました!

わたくしにもまだチャンスはあるはずですわ!)


「ていうかシルヴィアは普通に明日も学校だよな?今夜やって大丈夫なのか?」


「大丈夫ですわ!問題ありません!」


「そ、そうか?ならいいんだが」


「そうだアルス様!エレノア様からちゃんとスキルについて報告しにくるのよアルスちゃん?と言われていたのでは?」


「あ、そうだったな。じゃあ俺行ってくるよ」


「行ってらっしゃいませ!」



「ねぇ、ミラ?」


「はい、なんですか?」


「ミラは、自分がアルス様の1番だと思ってますの?」


「1番、ですか…。当たり前ですが、1番がいいなとは考えたことがあります。

ですが、アルス様は皆さんを平等に愛すると決めてらっしゃるそうです。

もうそこからは吹っ切れました!私は、とにかく死ぬまでアルス様と一緒にいれるだけで幸せです!!」


「そうですの…。ふふっ、そんなことを聞くとなんだがうじうじ悩んでいるわたくしが滑稽に見えてきましたわ。

その通りですわね!私たち全員でアルス様を支えるですの!」


「はい!」




こうしてアルスの知らないところで嫁たちの仲は良くなっていくのだった。

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