暗い中で電子機器を使うのはやめましょう。
あの凄惨な冒険から大体1ヶ月。
俺とトレイは友人くらいの仲になった。けど、
「また?今週でもう3個目だよ?」
おや、話をすれば。
『本日午前8時、ミロンのショッピングモールでウエポン覚醒者による武力行為がありました。なお、この犯人の能力レベルは、レベル5相当とされており、相当危険な能力を持っています。』
知っての通り、大半のウエポン覚醒者はレベル2までがいっぱいである。なのに、レベル5以上の襲撃が中々に多い。何かあるのかな。
「れーる、今日外に出かけるんでしょ?何か起きたら怖いんだよ。」
「大丈夫大丈夫、別に犯罪なんてそんな起きないって。」
「じゃあいいけど………。」
今回、えあぽーとと言う、ショッピングモールに来た。決して三井ではない。
トレイが観たい映画があるって聞いてきたので、ついでに家に溜まった大量のメダルを預けに来た。
そういや観たい映画は何なのかと思ったら、ゴリッゴリのホラー映画だった。
「おもしろかったね!特にジョニーがクララベルの首を絞めてゾンビの正体を見破るシーンとか……どうしたの?」
「いや、ラストシーンの衝撃がまだ落ちてなくて………」
「あぁ、あの主人公のボブが恋人のエリーをエリーから貰ったバイオリンで撲殺するところ?」
こういうの平気なんだね。俺は2から4回腰が抜けたぞ。
「ねぇねぇ、お昼どうする?」
「ん?バーガー食べたいって言ってなかったっけ?」
「あ、そうだった!私、チーズバーガーで!」
知ってるか?さっきのホラー映画を嬉々として楽しんだ奴と同一人物なんだぜ?
ヴッ゙ッ゙ッ゙ッ゙ッ゙
「トレイ?俺ちょっとお手洗い行ってくるから、少しここで待っててくれない?」
「べつにいいよ!でもさっきの謎のヴッ゙は何?」
突然の尿意を我慢する声だよ。
これは創作である。当然フラグを立てれば取りに来る奴がいる。
映画館の隣のゲーセンに、既にとある男が来ていた。
『……ここだ。しくじるなよ。』
「はいはい、僕に任してよ、マスター。」
そう言う男の指先には微量の電気が流れている。」
『信頼して良いんだな?電気創作。』
「報酬は弾めよ?20分で終わらせるから迎えよろしく。」
『はいはい。』
電話を終えると、男は妙にメカメカしい指輪を付けた。その瞬間、男の電気が大きく強化された。
「恨みはないけど、クライアントの依頼だ。じゃあね。」
指先から放たれた大量の電気が、ショッピングモールの照明を破壊した!
困った。トイレ行ってたら停電起きた。
しかも電話鳴ってる。なに?えーと、発信元は………
機動警察!?え?バレた?犯罪組織にいた事バレた!?逮捕の覚悟をし、恐る恐る電話に出た。
「許してください!まだ豚箱には行けないんです!」
『どうしたお前』
納得の反応である。ってかこの声って……
「永倉のとっつぁん!?」
『お前に直接電話かけるやつなんて俺くらいしかいないだろ?んで、お前今えあぽーとにいるな?』
「なんで知ってるんですか?」
『そう言うシステムあるから。』
プライバシーはどうした。まぁ見てるのAIだから良いんだけど……
『よく聞け、そこの映画館に犯罪者だ。誰かと電話取ってる奴がいて、怪しかったから監視してたら、そいつは電気系の能力者だった。お前、確か便利な能力持ってたな?悪いけど、制圧手伝ってくんない?』
せっかく休んでたのにもっかいコレかよ。
しかし許さん。俺の休息を邪魔しやがって。
でもね。
暗いトイレめっちゃ怖い!!!
「誰だお前!?」
「ハァ………ハァ…………」
何とかついたぞ。
目の前に立ってる能力者は、停電だからよく見えないけど、首にカメラがついたチョーカーをつけた男だった。
「こいつ……何なんだお前?機動警察じゃないよな?」
「知り合いに機動警察がいた、通りすがりの不死鳥くんだよ。」
「尚更何なんだよお前!?」
『待て、よく見せろ。』
「はぁ?」
『いいから早く!』
男がチョーカーを外し、カメラをこっちに向けてきた。
『アイツ……前にお前の前任だった奴だ。気をつけて殺せ。』
「って言うことは……まぁまぁの手練れだね。おい!お前!」
「お前じゃねぇ!通りすがりの不死鳥だ!覚えておけ!」
「じゃあ通りすがりの痛いやつ!僕に近づけるかな?」
ってかアイツ組織関係かよ!
「お前も拉致られ組か。能力を無理やり作られた仲間なら、早く帰ってくんない?そっちの方が楽だから。」
「いんや、僕はこの指輪で能力を増やしてるんだ。監獄に入ってたとこを、マスターに拾われてね。」
ただのやべぇ奴じゃねぇか!
「ツッコミの余裕があるのかな?いきなり行くよ!」
男の五指から激しい電撃が飛んできた!
「痛え!クソ痛え!てか指溶けた!」
あの野郎、体内電気を上手いこと避けて帯電体質にさせないように戦ってやがる。
「最近騒がしてる犯罪者お前か!」
「そう、僕はショッピングモールを壊滅させるバイトだね。」
なんてピンポイントな。
「それで、何で君には僕の能力聞いてないの?」
「効いてないんじゃなくて、効いてから復活してるんだ!」
「それで不死鳥…………じゃあ行くよ!もう一発!」
「させるかボケェェェ!!!」
持ってたナイフを尖らせ、男のチョーカーにぶっ刺した!
『終わったな。運転手、帰ってくれ。』
「僕は!?連れて行ってくれないの!?」
『お前捕まるだろ。次は幾らでもいるから。』
無慈悲な言葉とともに、チョーカーが破壊されたことで通信が切断された。
「せめて……お前だけでも。」
しかし、壁をぶち抜いて機動警察が駆けつけ、男を拘束した。
「なっ!?お前、僕の電気が怖くないのか?」
「そう言えば、この指輪綺麗だね?破壊ッッ!!!」
絶望した男の顔を横目に停電が直ったので急いでトレイの元へ戻った。
「もう!!何でトイレのついでに凶悪犯と戦ってるの!れーるは回復するけど、痛みはあるんだから心配なんだよ!」
「ごめんごめん、これからは気をつけるから。お詫びと言っちゃあなんだけど、好きなの頼んでいいからさ。」
「本当!?じゃあこの甘さの暴力!ハイパーグレートメガ盛りパフェ頼みたい!」
結局行くのバーガーじゃないんかい!?
「電気操作がしくじりました。」
暗い研究所で、先ほどの通信者がボスに報告した。
「そうか……アイツはどうだ?」
「アイツなら大丈夫です。再生能力も、敵になりません。」
この日、豪華客船が謎の筋肉男に襲撃された。
銃も、刀も、砲撃も、何もかもが奴には効かなかった。鋼鉄のボディにより、その船はあっさりとスクラップと化した。
なお、トレイとレールが観た映画はその後爆速で100億を突破したそうです




